女児死亡…3歳の次女、両脚骨折で歩けないのに放置した母 交際する男、長女も暮らす家 男は警察署で自殺

母親と次女が住んでいた住宅=春日部市下蛭田

 埼玉県春日部市で昨年12月、次女(3)が両脚を骨折し歩行不能と認識しながらも放置したとして、県警捜査1課と春日部署は31日、保護責任者遺棄の疑いで、同市下蛭田、無職の母親(31)=傷害罪で公判中=を再逮捕した。次女は、12月29日に心肺停止の状態で病院に搬送後、死亡していて、県警は亡くなった経緯を調べている。

 再逮捕容疑は、同居していた交際相手の男(37)と共謀し、昨年12月中旬から同29日にかけ、母親の次女が両脚の大腿(だいたい)骨を骨折し歩行ができない状態と知りながら、医師の治療を受けさせるなどの必要な保護をしなかった疑い。母親は「骨折したことは知らなかった。歩けないということも認識していなかった」と容疑を否認しているという。

 捜査1課によると、昨年12月29日午後4時ごろ、男から「3歳の女の子の様子と呼吸がおかしい」と119番。救急隊が自宅に駆け付けると、次女は心肺停止状態で搬送先の病院で死亡した。死因は脳損傷だった。母親は昨年夏ごろから男と交際を始めて、同11月下旬から同居。長女(6)と4人暮らしだった。男と同居後、長女と次女は保育園に通わなくなったという。

 県警は、母親と男が昨年12月23日に次女の顔を手で殴るなどしたとして同30日に暴行容疑で逮捕。取り調べではいずれも容疑を認め、「しつけのためだった」旨の供述をしていたという。その後、2人はいずれも傷害罪で起訴されていた。初公判でも母親は「間違いない」と起訴事実については認めていた。男は3月19日に留置先の春日部署で自殺した。

 次女は搬送時、顔や頭にあざがあったことから、県警は虐待されていた可能性があるとみて捜査する。

© 株式会社埼玉新聞社