異様…両脚骨折の女児死亡、近所で痛々しい光景 冷たい路上で四つんばい、「さっさと歩け」と怒鳴る女性が

両脚骨折の3歳娘を放置 容疑の母親を再逮捕=春日部市

 埼玉県春日部市で昨年12月、次女(3)が両脚を骨折し歩行不能と認識しながらも放置したとして、県警捜査1課と春日部署は31日、保護責任者遺棄の疑いで、同市下蛭田、無職の母親(31)=傷害罪で公判中=を再逮捕した。次女は、12月29日に心肺停止の状態で病院に搬送後、死亡していて、県警は亡くなった経緯を調べている。

 再逮捕容疑は、同居していた交際相手の男(37)と共謀し、昨年12月中旬から同29日にかけ、母親の次女が両脚の大腿(だいたい)骨を骨折し歩行ができない状態と知りながら、医師の治療を受けさせるなどの必要な保護をしなかった疑い。母親は「骨折したことは知らなかった。歩けないということも認識していなかった」と容疑を否認しているという。

■「まさかあの子が」

 現場は東武野田線豊春駅から南東に500メートルほど離れた住宅地の一角。近隣住民らは幼い命が奪われた悲しみに包まれ「残念」「心が痛い」と口をそろえた。

 近くに住む70代男性は、女児(3)と男性が現場宅から出てきて家の前で遊んでいるのを見たことがあるという。「仲睦まじい親子の日常のような感じだった」としつつ「まさかあの子が亡くなるとは思いもしなかった」と声を落とした。ほかの近隣住民らも同年代の子どもら複数人が遊んでいる姿を見ているという。

 一方、70代女性は今から2年ほど前の冬、1歳くらいの女の子がリュックを背負って路上で泣きながら歩いているのを見ていた。女の子のそばには母親とみられる30代くらい女性がいて「早くさっさと歩け」と怒鳴っていたという。「ようやく歩けるようになったくらいの子だったと思う。うまく歩けないのか時折四つんばいになったり、地面に座り込んだりしていた」と振り返った。

 60代女性も同じような光景を同時期に複数回目撃していた。「小さい子にリュックを背負わせて無理やり歩かせていた。あまりにも異様で脳裏に焼き付いている」と語った。

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