26日『映像の世紀』コンサート長崎公演 作曲家・ピアニスト 加古隆さん

「大きな感動を味わってほしい」と語る加古さん=長崎新聞社

 20世紀を振り返る大スクリーン映像とオーケストラの生演奏による「NHKスペシャル『映像の世紀』コンサート長崎公演」(NBC長崎放送主催、長崎新聞社共催)が26日、長崎市の長崎ブリックホールで開催される。演奏は広島交響楽団。「第二次世界大戦」「ベトナム戦争」など7部構成で人類の歴史を映像と音楽で見つめ直す。音楽を担当した作曲家でピアニストの加古隆さん(75)に、コンサートへの思いを聞いた。

 -「映像の世紀」とは。
 映像誕生100年を記念してNHKが世界中の貴重な映像を基に制作し、1995年から1年間、月1回放送した番組。そのための曲をたくさん書いた。テーマ曲の「パリは燃えているか」では歴史の大きなうねりや文明、破壊、希望などを表現した。その20年後に制作された「新・映像の世紀」の音楽も担当した。

 -番組がどのようにコンサートになったのか。
 番組の音楽を、歴史の流れに沿って構成。ピアノとオーケストラのコンサートのために書き直し、それに合うよう映像を再編集してもらった。映像と音楽が100%のパワーでぶつかり合う。

 -20世紀はどんな時代だったか。
 戦争の世紀だと気が付いた。戦争の愚かさ、平和の尊さ、地球の美しさを、強く感じさせるのがこの作品。言葉や人種を越え、世界中の人に鑑賞してほしい。

 -長崎で開く意義は。
 明確に掲げてはいないが、反戦の思いを感動で伝えるコンサートなので、被爆地長崎で開きたいと思ってきた。被爆地広島の交響楽団が生演奏することで、特別な空間と時間になると思う。

 -負の遺産の映像が多い中、最終第7部のテーマには「未来への希望」が含まれる。
 戦争の後、焼け野原に自分が立つとしたらどんな音楽を聴きたいかを想像した。これ以上ないほど深い愛情と祈りに満ちた音楽になっている。圧倒的な迫力で味わったことのない感動をぜひ体感してほしい。

◎「NHKスペシャル『映像の世紀』コンサート長崎公演」

 NBC長崎放送が創立70周年記念として開催。26日は午後3時開演。チケットはS席7700円、A席6600円、B席5500円。問い合わせはNBC事業部(電095.820.1022、平日午前10時~午後6時)


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