強靭なロック・サウンドを放つ大型新人がコロナ禍からの逆襲! Suspended 4th、1stフルアルバム『TRAVEL THE GALAXY』を7月20日リリース決定!

Suspended 4thがキャリア初となる、待望のフルアルバムをリリースすることが決定した。 新たに書き下ろした新曲郡に加え、2014年の結成以来路上やライブハウスで奏でてきた楽曲群を新たにレコーディングし直し、今の彼らの全てを詰め込んだまさにアーリーベスト的な作品に仕上がった(そのため、収録曲も膨れ上がり14曲のボリュームになったという)。 今回は2枚組と通常盤の2形態でのリリースとなっており、2枚組の方にはアルバムのインストバージョンが収められている。90〜00年代カラオケ全盛期のJ-POPならいざ知らず、彼らのように泥くささしかないバンドがなぜ? と不思議に思うリスナーもいるかもしれないが、彼らのホームグラウンドである路上ライブはインストで行っており、今回の音源にもその形に沿ったものを音源化。 「1st フルアルバムにしてベスト・アルバム」。こう言い切れる本作品は7月20日にリリースされる。

Suspended 4th『TRAVEL THE GALAXY』概要

コロナ禍はあまりにも大きな影響をSuspended 4thに与えた。「さあ、これから」というタイミングで彼らはすべての動きを封じられた。どのアーティストやバンドも同じと言えば同じだが、ストリートを拠点にライブを繰り広げてきた彼らにとってはかなりの痛手だった。

しかし、あらゆる困難を乗り越え、2014年の結成以来初となるフルアルバム『TRAVEL THE GALAXY』のリリースにこぎつけた。初のフル作ということは、当然内容もアーリーベスト的なものに。例えば、過去に自主制作盤として発表済の「BIGHEAD」、「INVERSION」そして、レーベルコンピに収録された「オーバーフロウ」はRevision 2バージョンとして再録し、彼らの出世曲「ストラトキャスター・シーサイド」も「ストラトキャスター・シーサイド '22」として再録している。以前からライブでプレイしていた「Venetzia」と「Betty」は今回初音源化。配信シングル「ブレイクアウト・ジャンキーブルースメン」、「HEY DUDE」と最新シングル「KARMA」ももちろん収録。そのほかの楽曲が新曲となる。

<上がれ BもAもKもAも><AもHもOも 上がれ>と聴き手をのっけから煽るタイトル曲から痛快だ。約3分という短い時間に強烈なリフとタイトなリズムだけでなく、演奏、アレンジ、歌唱面で様々なアイデアをぶちこみつつ、サビのキャッチーなメロディで全体をぐいっと牽引する。「Shaky」も素晴らしい。

まず、この曲に限ったことではないが、4人の演奏が完璧である。プレイはもちろんのこと、随所に聴きどころが散りばめられている。バカテクながらも気持ちいいところにビシバシとハマってくるベース、絶対にスキップなんてさせないギターソロ、叩いている姿が浮かんでくるほど躍動感のある国内トップレベルと言っても過言ではないドラムは演奏だけ聴いていても抜群に楽しい(だからこそ、インスト盤が付属する2枚組も販売されるのだ)。

これまではやりたい放題に各自の演奏を重ねていたが、いまはしっかりと音の交通整理がなされ、歌が映えるアレンジになっているのが大きい。アーリーベスト的な内容とは言え、4人は猛烈な勢いで進化している最中なので、<ひと区切り感>のようなものはまったく感じない。異色なのは、ディープ・パープル「Burn」のインストカバー。彼らのルーツでもあるこの楽曲はすでにライブでも披露しているが、すさまじくカッコいい。一人残 らず演奏技術がバカ高いことをここで再認識するはず。

本作を聴いて改めて思うのは、サスフォーの4人はあらゆる方向に感覚を研ぎ澄ませながらも、外に出すのは逃げも隠れもしないロックだということ。彼らの音を支持する人間からすると、『TRAVEL THE GALAXY』はサスフォーが掲げるロック反撃の狼煙と言いた くなる熱さがある。しかし、本人たちは果たしてそこまで意識しているのだろうか。これはトレンドに対するカウンターでもなんでもない。ストリートで培った技術や精神、ピザオブデスから見えた新たな景色、コロナで味わった苦渋、そこから見出した光明──それらすべてが4人の音に変換されて吐き出されている。何も狙わない。何にも迎合しない。そこにあるのは己のみ。ひと通り本作を聴いたあとに残る爽快さはそのせいなんじゃないかと思う。すべてのロックは鳴らされたと言っても過言ではない2020年代にこれが聴けるというのはなんと幸せなことだろうか。いよいよサスフォーが本格的にシーンを駆け上がるときが来た。

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