マスク着用アンケート 屋内「緩和」慎重6割 若年層は「不要」「緩和」が半数

 新型コロナウイルス感染対策として広く国民に定着しているマスク。専門家が示した着用緩和の見解を受け、政府は緩和基準を発表した。長崎新聞社は情報窓口「ナガサキポスト」のLINE(ライン)でマスク着用についてアンケートを実施。長崎県内在住者の回答のうち約4割の251人が「屋外で人との距離が保てれば外していいが、屋内はこれまで通り」を選択。「緩和しなくていい」を含めると、屋内ではこれまで通りを望む慎重な意見が約6割を占めた。

 アンケートは5月17~19日に実施。県内在住者634人、県外在住者642人の計1276人が回答。政府の緩和基準は▽屋外で距離が確保できない場合でも会話をほとんど行わなければ着用の必要はない▽屋内でも人が少ない図書館のように距離(2㍍以上)が確保できて会話がない状況では着用は必要ない-など。熱中症のリスクが高まる夏を前に考え方を明確化した。

 県内からの回答のうち「どんな場面でも着用しなくていい」は95人(15%)、「屋外、屋内とも緩和すべき」は100人(15.8%)だった。「その他」を選択した人の回答では「自己判断」「症状がある人だけでいいのではないか」などの意見が複数あった。

 世代による考え方の違いも浮き彫りになった。県内からの回答のうち、30代未満は113人。「どんな場面でも着用しなくてい」が32人、「屋内、屋外とも緩和すべき」が24人で、ほぼ半数がマスク不要や一層の緩和を求めた。一方で40代以上の回答者521人中、「緩和しなくていい」「屋内はこれまで通り」と答えた人は計372人に上り約7割を占めた。

 県外在住642人の回答のうち、約7割の452人が「どんな場面でも着用しなくていい」を選んだ。

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 新型コロナウイルス対策として政府の要請に応じて2年数カ月、多くの人が着用しているマスク。ナガサキポストのアンケートには賛否だけでなく、さまざまな意見が寄せられた。感染の再拡大防止のために「屋内では着用を」との声が根強い一方で、長期的な着用で子どもの成長への影響を心配する声も多く寄せられた。

 長崎市の30代男性は1歳の子どもについて「マスクをしていると私たち両親を間違えることがある。背が低くて髪の毛が長いとママと言い、スラッとした体形で髪の毛が短いとパパと言ってる」とし、「(マスク姿だと)両親の判断ができてないのかなと思えてくる。外出先で近くに人がいなければ、マスクを下にずらしてわが子と接するようにしている」。

 「屋外、屋内とも緩和すべき」を選択した同市の40代女性は「1歳5カ月のわが子はマスク姿の大人しか知らない。素顔でほほ笑み合える世の中が戻ってきてほしい」と願う。

 長崎市内の50代男性は中学校長という立場からコロナ禍の2年間について「生徒の安全をある程度保つことができた。マスク着用は一定の成果を上げたと思う」と回答。一方で「生徒は先生に指導されないように無理をしてでも着用し続け、周りの目を恐れているように感じる」とし、「外しても白い目で見ないようなルールの共有が必要」と訴えた。

 実体験から緩和に慎重な意見を寄せた人もいる。県内の病院で働く女性は同僚3人が感染したという。一緒に昼食を取っていたことが原因とみられるが、「患者さんに感染者は出ませんでした」とマスクの効果を実感した。

 「場面に合わせて自己判断すべき」との意見も多かった。佐世保市の60代男性は「TPO(時間と場所と場面)に合わせて着用しています。だって1人の時にマスクしたって意味ないと思います」とし、買い物や公共交通機関を利用する際は「絶対不可欠」とした。

コロナ禍の2年、マスク着用が当たり前の光景になった。緩和については賛否の声が入り混じる(写真はイメージ)

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