美ら島財団 奄美の希少種、培養国内初 サガリラン 開花成功のコピー

 【本部】沖縄美ら島財団は1日、奄美大島に生息する絶滅危惧種・サガリランの開花に成功したと発表した。培養容器内で育成し、開花したのは国内初とみられる。開花した株は12日ごろまで、海洋博公園熱帯ドリームセンターで展示する予定。

 同財団の研究グループは6年間の研究の結果、増殖・育成に成功した。そのうち、今年5月に培養容器内で3株の開花が確認された。

 研究に携わった同財団総合研究センターの佐藤裕之さん(34)によると、サガリランは冷涼多湿な限られた環境下でしか生息しないという。今回の研究では、容器内に生息域に近い環境を作り出した。

 佐藤さんは「もし生息域で絶滅間近の状況になれば、サガリランの野生復帰が必要になる。今回、生息域外で種から開花まで実現できたことは大きな意味がある」と述べた。

 (長嶺晃太朗)

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