田舎で1人バスを待っていた東京の女性が感動…福井の観光案内所スタッフが温かいおもてなし「クマが出ると怖いし寂しいだろうな」

感動おもてなし大賞に輝いた和田鶴美さん(中央)=6月1日、福井県福井市のアオッサ

 福井県福井市を含む嶺北一円で観光客を温かく迎えた人や団体を表彰する「感動おもてなし大賞」に、勝山市の白山平泉寺の観光案内所スタッフ、和田鶴美さん(62)が輝いた。和田さんは東京から訪れた女性が夕方、1人でバスを待っていたのを心配し勝山駅まで送り届けたのが評価された。

 昨年1年間に観光客から手紙などでおもてなしの体験談148件が寄せられ、「いかに福井に来たお客さまを感動させたか」を基準に審査し大賞を決めた。

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 福井市のアオッサで6月1日、表彰式が行われ、和田さんと同案内所「と之蔵」の代表、大久保満さん(70)が出席した。寺井道博商工労働部長から賞状が手渡され、和田さんは「自分の立場でできることを行い、お客さまに大変喜ばれて感動した」と話した。

 和田さんは女性が観光案内所を利用後、バスを待つ姿を見て「1人で来たのもすごいのに、クマが出る可能性もあって怖いしさみしいだろうな」と思い行動に移した。後日、女性からお礼の手紙が届き驚いたという。今後も「私ができることをやっていく」と意気込んでいた。

 福井市は観光客を迎える機運を高めようと、市民団体などでつくる「観光おもてなし市民運動推進会議」を設置し2014年から、同大賞を選び表彰している。嶺北10市町と「ふくい嶺北連携中枢都市圏」を形成した19年から、対象を嶺北一円に拡大した。

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