「保育士、求む。」“本気”の大村市、就職祝い金拡充 「継続応援金」も新設

大村で保育士らの就職を呼びかける職員=大村市こどもセンター

 「保育士、求む。大村市は本気です」-。長崎県大村市は2日、市内の幼稚園や保育園などに常勤で就職した保育士・保育教諭・幼稚園教諭・看護師に支給する就職祝い金を2023年度から拡充すると発表した。継続して勤務した職員への「継続応援金」も新設し、県外から就職した場合、7年間で50万円を支給。不足している保育士らを確保し、待機児童の解消につなげたい考え。
 祝い金は市が17年度に創設した。県外から就職した場合に支給している15万円を35万円に、市外からは10万円を20万円に拡充する。これまで市内に居住することが条件だったが、市外からの通勤でも可能とした。市内在住の潜在保育士らに対しても、5万円を新たに支給する。いずれも23~25年度に就職した人が対象。
 離職防止を目的とした継続応援金は、勤続4年目の保育士らに5万円、7年目で10万円を支給。現在、市内で勤務している人も対象になるという。
 市によると、年度当初の待機児童は20年度以降発生していない。ただ、年度末にかけて増加しており、保育士不足などにより施設に入れなかった待機児童は21年度末で165人いた。
 昨年4月現在の保育所・保育園・こども園の児童数は3290人で、年々増加傾向にあるという。一方、市内で働く保育士は912人(21年10月現在)で少しずつ増えてはいるものの、市は祝い金の拡充などによりさらに100人程度を確保したいとしている。
 市では保育士らを対象とした婚活パーティーなども企画しており、園田裕史市長は「保育士が大村でパートナーを見つけるなど、生活面でも支援していきたい」と話した。問い合わせは市こどもセンターこども政策課(電0957.54.9100)。


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