【芦屋】隠れ家カフェ「ユルスナール」のグルテンフリーメニューに注目

紫のドアが目を惹く隠れ家カフェ

阪急「芦屋川駅」から歩くこと3分。「Yourcenar（ユルスナール）」（兵庫県芦屋市西山町）は、飲食店が立ち並ぶプレハブの一角の奥にひっそりと佇んでいます。阪急電車の線路沿いに位置し、時おり電車の通る音が聞こえます。

大きな靴を履いた男の子が特徴的なロゴの看板を見つけ、紫のドアを開くと、少し照明を落とした雰囲気ある空間が広がります。コトコトと絶えず何かを作っているキッチンの音は、まるで誰かの家にいるような、なんとも言えない心地よさ。

グルテンフリーでも食は楽しめる！

「グルテン」とは、小麦粉に含まれる粘り気のあるたんぱく質のこと。「グルテンフリー」というのは、「グルテン」つまり小麦粉製品を摂取しない食生活のことです。

美容や健康に気をつかう人からの支持を集めて、最近では「グルテンフリー」を実践する人も増えてきました。パン、パスタ、ラーメンやうどんが小麦粉製品であることはわかりやすいですが、実は醤油やブイヨンなど一見わかりにくい調味料に含まれているため、小麦アレルギーの人は、普通の人たちが食べているものがほとんど食べられなかったりするのです。

「ユルスナール」のオーナーである森さんの娘さんと息子さんも、そんな小麦アレルギーを持って生まれてきました。森さんは、アレルギーで「これしか食べられない」という消極的な気持ちでなく、「どれを食べてもいい」と前向きな気持ちで、食の喜びを感じてほしいという思いがあったと言います。

そして、米粉を使って試行錯誤しながら、さまざまな食事でグルテンフリーを実践していきます。その努力はいつしか「小麦アレルギーの方もアレルギーを持たない方も、一緒に食の楽しみを感じてほしい」という強い思いとなり、「ユルスナール」のオープンへと繋がりました。開業以来、厨房には一切小麦を持ち込まず、環境づくりも徹底。アレルギーの方への配慮は欠かしません。

グルテンフリーの豊富なメニュー展開

「ユルスナール」のメニューを開くと、グルテンフリーでも普通のカフェと変わらないメニューの豊富さに驚きます。

リピーターが多いイチオシメニュー「ハニーバタートースト」

「ハニーバタートースト」は、その美味しさが忘れられずに来店されるお客様も多いという、イチオシの定番メニュー。米粉で作りあげたパンをせいろで蒸してふんわりさせ、たっぷりの発酵バターと共にフライパンで焼きます。さらに、国産蜂蜜をかけてバターを添えるという何ともギルティな食べ物。

アツアツのトーストにナイフを入れると、バターとハニーがじゅわりと溶け出します。筆者も米粉パンは初めて食べましたが、小麦から作られたパンと変わらないことにびっくり！

月替わりで楽しめる「パンプレート」

同じトーストを使用したメニューとして、ランチに提供されている「パンプレート」もあります。こちらは、パン、サラダ、スープをベースに月替わりで内容が変わります。この日はアボカドペーストを塗ったトーストにサーモンをのせたオープンサンドでした。こんなおしゃれなメニューも食べられるんですね！

バスクチーズケーキやマフィンなどスイーツも

オープン当初からあるという定番の「バスクチーズケーキ」は、卵の風味が優しく、重すぎない軽やかな味です。

マフィンは写真手前・左から反時計回りに、「コーヒーくるみ」、「ミックスベリーチーズケーキ」、「はちみつレモン」。どれも、聞いただけで美味しい組み合わせ！ こちらのマフィン、3種類ずつ週替わりするという、驚きのラインアップ。今も続々と新作を生み出しているとのことで、いろんなフレーバーを試してみたくなります。

テイクアウトされる方も多いというマフィンは、お店のショーケースに可愛らしく並んでいます。一つひとつオリジナリティが感じられる組み合わせで、朝ごはんにちょうど良いボリューム感です。

他とは一味違うドリンクもラインアップ。「焙煎玄米のアイスカフェオレ」は、焙煎したオーガニック玄米と有機黒糖、きび砂糖でできたシロップを牛乳で割ったドリンクです。珈琲は入っていないはずなのに、焙煎した玄米が香ばしさを引き立て、まるで本当にカフェオレを飲んでいるよう。

「オーガニッククラフトコーラ」はレモン・柑橘系の皮・スパイス各種が入っていて、爽やかな味わいが楽しめます。

毎月、新メニューを提供するのが「ユルスナール」のポリシー。豊富なメニューを通して食べる喜びを届けたいという森さんのこだわりが伝わってきます。今回紹介しきれなかったメニューもあるので、ぜひお店で確かめてみてくださいね。

アレルギーを持つ人も持たない人も、一緒に楽しめるカフェへ

グルテンフリーを特に意識していない人であっても、食事を美味しくいただけるカフェとして利用できるのが「ユルスナール」の魅力のひとつ。カフェとしての雰囲気を作るためにあえて照明を落とし、目を惹くランプを吊り下げるなど内装にもこだわっています。

今後は、読書会や映画上映会など人が集うイベントの実施や、さらなる新商品の開発など、挑戦したいことも尽きないと語る森さん。グルテンフリーをうたうだけでなく、ますますカフェとしての可能性も広がっていきそうです。

小麦アレルギーの方を始め、健康・美容を気にされている方もそうでない方も、「ユルスナール」で美味しいひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

※掲載内容は取材時の情報です。ご利用の際は最新の情報を事前にご確認ください。