歌舞伎界の将来を託された市川染五郎

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の源義高役で注目された歌舞伎俳優の市川染五郎が2日、初日を迎えた東京・歌舞伎座「六月大歌舞伎」(27日千秋楽)の第2部「信康」に出演したことを各メディアが報じた。

歌舞伎座で初主演の染五郎は、徳川家康の嫡男として将来を期待されながら織田信長に有能さを警戒され、非業の死を遂げる徳川信康役。家康役の祖父・松本白鸚ら大先輩にも臆することなく、17歳とは思えない舞台度胸を見せたという。

染五郎は事前の取材会で、「自分が主演でお客さんを集められるのか不安はありますが、主役であろうが、脇役であろうが、心意気は変わらない。命を削るつもりで演じたい」と意気込んだという。

「26年ぶりの上演となる『信康』を前回演じたのが、新之助時代の18歳の市川海老蔵だった。海老蔵さんより1年早い17歳で抜擢されたことからも、松竹が染五郎に大きな期待を寄せていることは明白。つまり、歌舞伎界の将来を託されるほどの期待を寄せられている。そんな期待に応えるべくか、今春、高校を中退して歌舞伎に専念していたことが報じられたが、かなりの覚悟を決めての中退だったのでは」(演劇担当記者)

父は松本幸四郎で伯母は女優の松たか子。2009年に初舞台を踏み、四代目松本金太郎を襲名。2018年に市川染五郎を八代目として襲名。

歌舞伎以外では、昨年公開されたアニメ映画「サイダーのように言葉が湧き上がる」では、主人公の声優を演じ、ヒロイン役の声優を演じた女優の杉咲花と共演した。

大河ではすでに出演が終わっているが、ネット上では〝義高ロス〟が巻き起こるほどの人気ぶり。自身の人気で新たな歌舞伎ファンを開拓しそうだ。

© 株式会社ジェイプレス社