【真鶴名簿不正】町長の辞職勧告決議、賛成多数で町議会が可決 町長は辞職しない意向

本会議で辞職勧告決議を受ける松本町長=3日、真鶴町議会

 真鶴町の松本一彦町長が選挙人名簿を不正にコピーし自らの町長選で使用するなどした問題を巡り、町議会は3日の本会議で、松本町長に対する辞職勧告決議を賛成多数で可決した。決議に法的拘束力はなく、松本町長は辞職しない意向を示している。また名簿の提供を受けた町議2人に対しても、昨年11月に続いて2度目の辞職勧告決議が可決された。2人とも辞職を否定している。

 松本町長に対する決議では、4月に公表された町の第三者委員会報告や、5月の議会で新たに発覚した松本町長の支援者3人への情報流出に対して「事実を隠したままの再選であり、町民をあざむく背信行為であると言わざるを得ない」などとし、直ちに辞職するよう勧告した。議長を除く町議9人のうち、提出者の村田知章町議ら6人が賛成、3人が反対した。

 賛成した町議は「報告書で出された結論を重く受け止めた。町民からも町長辞職を求める声が寄せられている」とし、別の町議は「事実を隠したまま、誠実に対応しないことは町民軽視だ」などと批判した。

 松本町長は同日、「(勧告を)重く受け止めているが、今後も町長職を継続していく思いに変わりはない。辞めざるを得ない状況に追い込まれるまで続ける」と表明。第三者委報告に沿った刑事告発や損害賠償請求、再発防止策などを進めると強調した。

© 株式会社神奈川新聞社