街中のイスやベンチ、廃プラで作ろう 3Dプリンター活用、慶大が鎌倉に研究所

3Dプリンターの前で出来上がったイスについて説明する田中教授=鎌倉市大町

 慶応大学SFC研究所(藤沢市)は4日、JR鎌倉駅近くに「リサイクリエーションラボ(研究所)」を開設する。廃棄されるプラスチックを原材料に3Dプリンターを用いてイスやベンチ、プランターなど「まちのアイテム」を作製する。同大は鎌倉市や市内企業などと協力し、産官学で資源循環型の社会への取り組みを進める。

 「ラボ」(同市大町1丁目)を設置したのは、デザイン工学が専門で同大環境情報学部の田中浩也教授(47)のグループ。不要になった洗剤のボトルなどから、3Dプリンターを用いて昨年の東京五輪・パラリンピックで使用された表彰台98台を設計・製造した実績がある。

 同市が5年ほど前から、市民参加型のプラスチック回収活動「RecyCreation(リサイクリエーション)」を行ってきたことや、環境問題への関心が高い住民が多いことから、鎌倉でのプロジェクト実施が決まった。

 ラボ内の大型粉砕器に不要になったハンガーなどのプラスチックを投入し、5ミリ大のフレーク状にした後、3Dプリンターが、ベンチやイス、プランターなどを立体造形する。イスであれば、ハンガー100~200本を原材料に4~5時間で作ることができるという。

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