全特マニュアル問題「日本郵便の報告待ち対応」

 地域に密着し、極めて公共性の高い「郵便局」の局長を育成するなどとして、全国郵便局長会(全特)が「政治活動・選挙活動・地域活動の重要性について理解を深めさせる」などとする「後継者育成マニュアル」をつくっていた問題。

 金子恭之総務大臣は3日の記者会見で「個別企業の人事・採用に関することで、まずは会社自らが説明いただくべきものと考えている」と説明を待つとした。

 金子大臣は「日本郵便においては現在、マニュアル内容を精査中と聞いている。総務省は、その結果と局長採用との関連などの事実関係について、日本郵便から報告を受けることになっている。日本郵便からの報告結果を踏まえて、監督官庁として必要に応じて適切に対応していく」と当たり障りのない、待ちの姿勢だった。

 全国郵便局長会は中小規模の郵便局の局長らでつくる任意団体だが、地域に密着しており情報力は大きい。この顧客情報を国政選挙で特定候補の戦いを優位にするため、政治活動の戸別訪問に利用したり、支援依頼に使ったり、カレンダーを政治活動に配布したりと問題ケースも発生している。

 今回の後継者育成マニュアルの内容に関した問題は、5月31日の参院予算委員会で取り上げられ、日本共産党の小池晃書記局長は「極めて公共性の高い郵便局長という役職が、任意団体の政治的な問題も含めた面接や研修によって選ばれることになれば大変な問題だ」と指摘。「総務省は監督官庁として、当然、調査すべきだ」と調査を要求した。志位和夫委員長も1日、ツイッターで「岸田首相は自民総裁として責任をもって調査すべき」と郵便局長という公共性にかんがみた対応を行うように求めた。(編集担当:森高龍二)

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