真夏でも長袖の高校生 制服事情を知らない親は損をする 「青春の袖まくり」 

6月は「衣替え」のシーズン。世のサラリーマンは、半袖でクールビズの季節ですが、最近の高校生の制服事情は、少し違うようです。

半袖?長袖? 1987年と2022年を比較 30年前はこんなに違う

(高校生)
「長袖をずっときてます」「うちの学校は、半袖着る人あんまいなくて」

真夏でも長袖で過ごすのが定番だというのです。
知っておかないと、親の財布にもダメージが!

1987年、35年前の6月1日。登校する中高生の大半は、半袖の夏服です。
ところが、ことしの6月1日の朝の登校風景は、男子も長袖…。

一体何があったのでしょうか。

制服を製造販売しているカンコーが、中学・高校生の夏のシャツの着用状況を調査した結果です。男子は半袖が4分の3です。女子になると半袖が6割強、4割近くが「夏でも長袖」ということがわかりました。

広島市の高校生にも聞いてみました。

(高校生)
「長袖です」「学校、9割か10割がた長袖なんです」「半袖の人は少ない」

高校生50人に聞いたところ、夏場に半袖を着る高校生は2割程度。
8割は「長袖を着る」という結果になりました。

では、高校生はなぜ、真夏でも長袖を着るのでしょうか?

(高校生)
「クーラーがあるから、扇風機でちょっと寒いくらい。寒いときには伸ばせるように」「日焼けしたくないから」「(実際暑くない?)暑いです。(なのになぜ?)みんなが着てるからです」

教室にエアコンの設置が進み、服装で体温調節をできるように…。
日焼けをしたくないから…。
実用的に、長袖を着こなしているようです。
そして、夏の長袖は、すでにファッションとして定着したという声もありました。

(高校生)
「半袖よりは、長袖の方がまだダサくない」「半袖だとスパっと切れてて、かわいくない、長袖だと袖がかわいい感じ」「まくるのがエモいじゃないですか、青春ぽくて、ヒジがちょっと隠れるぐらい、若い世代ここを気にするので」

「長袖をまくるのがエモい…」そんなの風潮に対し、生徒指導の先生は…。

(進徳女子高校中 島 健太生徒指導部長)
「日焼け対策と長袖の方がかわいいという意見は出ております。TPOわきまえて考える指導もしてますんで、夏に関しては長袖・半袖どちらでも自由に選択してもらえば」

広島県内の高校の制服を扱うキョーリツによりますと、年々「夏でも長袖」という傾向が強くなっているといいます。

(キョーリツ紙屋町店 中上聖美さん)
「暑くて外で日焼けを気にして長袖を着用したい人と、クーラーで教室内が涼しいので寒くて長袖を着用したい人で、夏場でも長袖を着る人が多くなっている傾向。女子は夏場に長袖着用OKな学校だと8~9割は長袖しか着ない」
制服の販売時にもアドバイスをしているそうです。

(キョーリツ紙屋町店 中上聖美さん)
「半袖を2.3枚買おうとしている人がいたら、『在校生は夏場でも長袖の着用する人が多いので、1枚で様子見るか、着用するようになれば店頭に来店すればすぐに購入できる(だから今買わなくてもいい)』とアドバイスしている」

親世代には当たり前だった「夏の半袖制服」。
入学準備で、半袖の夏服を3、4着購入したのに、子どもからは「着ない」と言われ、3年間押し入れにしまったまま…という経験談も寄せられました。

子どもがこれから高校に…という保護者のみなさんも、事前にしっかりと調べて、お子さんと着用の意志を確認してからどちらを買うか決めた方が良さそうです。

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