バイク用サスペンションYSS!レースまでフォローする手厚いユーザーサービス

YSS装着マシンが、カスタムマシンの超絶レース

テイスト・オブ・ツクバで激勝

さる5月、日本のみならず海外からも注目を浴びるレース『テイスト・オブ・ツクバ(TOT)』が開催された。同レースを走るマシンは、市販車を改造したもの。馴染み深いバイクに、超ハイレベルなチューニングが施され、その様相はさながらカスタムマシンのバトルロイヤル。バイクを見ているだけでも楽しく、日本で最も観客を集める草レースともいわれる。TOTにインスパイアされ、ヨーロッパでも同様なレースが人気急上昇なのだ。

そのTOTに、注目のサスペンションメーカーYSSが参戦。自社で製作したZ900RSレーサーと、旧車カスタムの名手アゲインとのコラボチームでエントリーしたCB500Fの2台が、それぞれのクラスで優勝を飾った。人気が過熱し、草レースとしては異常なまでに高いレベルで争われているTOT。ライダーとマシンのパフォーマンスが高次元でバランスしていなければ、このレースに勝つことは不可能。ここでの勝利は、YSSの性能の高さを証明しているといえるだろう。

1980年までに生産された車両のみが参戦可能なD.O.B.A.R.-1クラスで、見事優勝を果たした「YSS & アゲインRC & Big III」のCB500Fレーサー。

TOTを象徴するクラスともいわれるD.O.B.A.R.-1クラスで、見事優勝を果たした「YSS & アゲインRC & Big III」の面々。レーシングスーツを着ているのが、ライダーを務めた伊藤大三選手。

今大会から新設されたSTREET FIGHTERクラスで、栄えある初代勝者に輝いた「YSS ARCHI Racing with again」のZ900RSレーサー。YSSを取り扱うYSS JAPANの母体は、カスタムパーツメーカーPMC。ARCHIは同社のパーツブランドであり、このレーシングマシンはPMC社内で製作されたものだ。

名車CB400Fourを中心に、旧車を得意とするアゲインが仕上げたCB500Fレーサー。“元祖ナナハン”ことCB750Fourに次いで、1971年に登場したホンダで2機種目の四気筒エンジン搭載車。正式な車名は「ドリーム CB500 Four」オリジナルはオーセンティックなネイキッドスタイルだが、このマシンは“当時感”を活かしたレーサーに変貌

CB500Fレーサーに装着されているのが、YSSのリヤショックユニット「Z-Series・Z362」だ。旧車にマッチするクラシック感のあるシックなルックスを持つが、現代の技術を用いて設計された高性能ツインショック。幅広いセッティング幅を実現した30段の伸び側減衰力調整とプリロード調整、車高調整機能まで装備しながら7万1500円という、手の届きやすい価格を実現。

フロントフォークもYSS製パーツを使用してチューニングされている。「フォークアップグレードキット」は、「イニシャルアジャスター」、「フォークスプリング」、「PDバルブ」で構成され、その名の示す通りフロントフォークの性能を大きく向上させるキット。調整機構を持たない旧来のダンパーロッド式フロントフォークに、調整機構としなやかで“コシ”のある減衰特性を持たせることが可能。価格は3万7400円。## ユーザー第一主義のYSSのフォロー体制
一般ユーザーもレーシングレベルのサポートを受けられる

レースの世界でも多くの実績を持つYSS。だがレース活動を行う理由は、製品の優秀性をアピールすることを第一義には置いていないのだという。使用条件が過酷なレースは、製品のテストや技術の蓄積には最適。実戦を経て獲得した技術を、ユーザーにフィードバックするためのレース参戦なのだ。また、レースのエントラントにもYSSユーザーは多く、そのユーザーをフォローするためにレーシングサービスを展開。

レーシングサービスとは、レースの現場にYSSのスタッフが出向き、ユーザーをサポートすること。セッティングのアドバイスやトラブルの対処だけでなく、サーキットでショックユニット分解し、ダンパーなど内部のモディファイを行うこともある。国内バイクレースの最高峰、MFJ全日本ロードレース選手権では全戦レーシングサービスを展開。他に鈴鹿8耐やTOTといったレースでも、YSSユーザーをサポートしている。

鉄フレームのツインショックモデルが激しい争いを繰り広げる、DOBAR MONSTER EVOLUTIONクラスに参戦中の、奈良のカスタムショップ「GRAND BASE」のマシンはZ1000LTDベース。前後サスペンションにYSSを使用している。フロントフォークは、大注目のクローズドカートリッジ式ダンパーを採用した「KG308R」(63万8000円)。リヤショックはYSSツインショックの最高峰モデル、フルアジャスタブルで圧側ダンピング調整は高速/低速の2系統を持つ「SII-Series」(17万6000円)を装着。

YSSレーシングサービスのスタッフが、GRAND BASEのピットを訪問。同店の代表でライダーも務める丸尾慶仁さんと、サスペンションのセッティングについて打ち合わせ。こうして得たデータやノウハウが、ユーザーサービスや製品開発に活かされる。

YSSのレーシングサービスは手厚い。だが、レースは自分に関係ないし……と考えるのは早とちり。レースユーザーのみならず、YSSユーザーであれば誰もが同レベルのサービスを受けることが可能なのだ。

例えば、先に紹介したCB500Fレーサーのリヤショック。このマシンはスイングアームがノーマルから変更され、フロントフォークも他車種から流用したもの。当然、ノーマル対応の部品は装着できない。そのため、ほぼワンオフ製作されたリヤショックとフォークアップグレードキットが使用されているのだが、全く同じ仕様のパーツを誰もが購入可能。また、自分のバイクに合った、ワンオフサスペンションパーツの製作にも対応してくれる。もちろん、アフターフォローも万全だ。

サスペンション自体の性能の高さは勿論のこと、こうしたフットワークの軽さ、そしてユーザー第一主義のサポート体制こそが、YSSサスペンションの大きな魅力なのだ。

TOTのパドックで熱い注目を浴びていた

YSSの特設ブース&ピット

TOTが多くの観客を集めるのは、レースの面白さと並んで個性的な参戦マシンも大きなファクター。パドックはまるでカスタムマシン博覧会、しかもどれもが見せかけでなく本物のレーシングマシンだ。そうしたマシンを一目見ようと、パドックにバイク乗りが押し寄せる。パーツメーカーとしては格好のアピールの場となるので、様々なメーカーがブースを出展。YSSもピットと隣り合わせた形でブースを設けた。

YSSパーツが大量に展示されているだけでも要チェックなのだが、ピットが併設されたことで生のレース現場を目の前で見ることもできて大人気。Z900RSとCB500F、2台の優勝マシンの存在も注目を集めていた。

STREET FIGHTERクラス優勝マシン、Z900RSレーサーが飾られたYSSのブース。さすがに注目度は高く、人集りが途切れることがなかった。

ブースにはYSSのサスペンションパーツが大量展示。パーツを実際に自分の目で見られる、またとない機会だった。他にもPMCの取り扱いパーツも展示され、そちらも人気を集めていた

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