美作市在住の作家あさのあつこさんと、代表作の一つ「バッテリー」ゆかりの地を巡るバスツアーが4日、同市などで始まり、全国から訪れたファンが“聖地”で作品世界を堪能した。
中学野球に懸ける主人公の投手が捕手と友情を育む物語で、2007年公開の映画は県内各地でロケがあった。ツアーには東京や京都などから21人が参加。初日は美作市で、主人公の学校として映画に登場した美作中、試合場面のモデルになった野球場、あさのさんの著作が並ぶ「ほたる館」を巡った。
参加者は、お気に入りの場面を思い出しては歓声を上げ、美作中ではグラウンドに立つなどして登場人物になりきった。あさのさんは質問や記念撮影に応じながらエピソードを披露した。
滋賀県彦根市の自営業女性(30)は「大好きな作品の舞台に憧れの先生と来て話もできるなんて夢のよう」と感激。あさのさんは「物語の基盤である生まれ育った町を喜んでもらえてうれしい」と話した。
ツアーはあさのさんのデビュー30周年を記念し、出版社のKADOKAWA(東京)が企画。夜には津山市内でトークショーとサイン会があった。5日は真庭市を訪れる。