3月までの国内の死亡数急増、厚労省統計で判明 原因解明待たれる

 先月下旬に厚生労働省が通年調査している「人口動態調査」の今年3月までの速報値が公表されたが、そのなかで今年1月〜3月までの国内の死亡数が、例年より相当の割合で増えていることが分かった。現在までのところ原因は不明で、詳細な追加調査が待たれるところだ。

今年1〜3月の死亡数、昨年より10%も増加

厚生労働省の速報より抜粋

 厚生労働省が先月下旬に発表した今年3月までの「人口動態調査」の速報値によると、国内での今年1月〜3月の死亡数は42万2037人で、昨年同期間より10.1%、3万8630人多い42万2037人だったとことが分かった。なお同期間に新型コロナウイルス感染者の死亡は9704人で増加分を大きく下回っており、現在までの統計値からはコロナの影響はうかがえない。また国立感染症研究所が公開している「日本の超過および過少死亡数ダッシュボード(2022年1月まで)」においても、公開されている値からは死亡数の急激な増加は示唆されておらず、新型コロナや他の感染症(インフルエンザなど)が原因で死亡数が増えているとは考えにくい状況だ。

 「人口動態調査」は厚労省が常時医療機関などからデータを収集し公表している統計だが、まず各指標の概数を速報値として出したあと、その細かな分析などを追って公表している。1〜3月までのこの死亡数の増加について、死亡原因の分類などが分かるのは秋ごろの見込みだ。

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