亀梨和也、増田貴久、中島裕翔出演ドラマが「第38回ATP賞」を受賞

一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)が選ぶ、第38回ATP賞が決定、発表された。ジャニーズタレント出演作は、増田貴久(NEWS)主演の『古見さんは、コミュ症です。(NHK総合)』、亀梨和也(KAT-TUN)主演の『正体(WOWOW)』が奨励賞を受賞。また、中島裕翔(Hey!Say!JUMP)出演の『しずかちゃんとパパ(NHK BSプレミアム)』が優秀賞を受賞した。

ATP賞とは?

一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟(以下、ATP)は、1982年に任意団体としてスタートし、放送文化の発展と国民の文化的生活の向上に寄与することを目的として活動している、映像コンテンツ製作事業者の連盟。現在東京、大阪の主要テレビ番組製作会社約120社が加盟。

「ATP賞」は、1984年に創設され、製作会社のプロデューサーやディレクターが自ら審査委員となり優れた作品を選ぶ、日本で唯一の「創り手が選ぶテレビ番組グランプリ賞」。番組部門の「ドラマ部門、ドキュメンタリー部門、情報・バラエティ部門」の3部門で作品を募集し、毎年100本を超える応募作品から優れている作品が選ばれる。

増田、亀梨の俳優として節目になる作品

NHKよるドラ『古見さんは、コミュ症です。』は、週刊少年サンデーで連載され、シリーズ累計500万部を突破した人気マンガ(作者、オダトモヒト)の実写化。ごく普通の高校一年生、只野仁人(増田貴久)が、学校のマドンナでありながら人と話すことが苦手な「コミュ症」の古見硝子(池田エライザ)の「友達100人作りたい」という夢を手伝う。「コミュ症」とは、コミュニケーションが苦手なことを表現した造語で、コンプレックスを抱える個性あるクラスメイトが登場し、登場人物の心の動きが丁寧に描かれており、共感を呼んだ。誰に対しても優しく、ほんわかしたキャラクターは、増田貴久にぴったりではまり役だった。

WOWOW ドラマW『正体』は、染井為人原作の傑作サスペンスの映像化。殺人事件の容疑者で脱獄した死刑囚・鏑木慶一が、真実が明らかになることを求めて逃亡し、出会う人々と触れ合い魂を救いながら逃亡を続けるが、その先には予想もしない結末が待っていた。名前や風貌を変えながら、工事現場の作業員、ライター、介護施設の職員を演じ分け、全身全霊で臨んだという『正体』。難しいテーマに挑み、緊迫するシーンやアクションも軽やかにこなす亀梨和也は、その人間としての幅や奥深さに基づく、すごみのある眼力、表現力が見事。カメレオン俳優とも称されるが、WOWOWドラマ初主演で、視聴者からは「亀梨くんだと気づかなかった」という声も多く、俳優としてさらに上のステージに進んだのではないだろうか。

『正体』のプロデューサーの一人、三本千晶さんも、第38回 ATP賞テレビグランプリ優秀新人賞を受賞した。

鶴瓶も絶賛の

NHKプレミアムドラマ『しずかちゃんとパパ』は、幼い頃に母を亡くし、ろう者(聴覚障害)の父(笑福亭鶴瓶)と父一人子一人の父子家庭に育ち、通訳代わりをしてきた野々村静(𠮷岡里帆)が、道永圭一(中島裕翔)と出会い、結婚するまでをハートフルに描いたホームコメディー。普通のコミュニケーションが苦手な静と圭一は互いにひかれあうが、圭一は、写真店を営む父や地域住民が反対する大規模な再開発計画を推進する会社の社員と、敵対する立場。物事の本質を見つめ、真っすぐな気持ちで向き合ってくれる圭一との交流で、人生を見つめ直し、親離れ・子離れして殻を破り、成長していく静。普通のサラリーマン役が板についている中島だが、大粒の涙を流した最終話の演技は、笑福亭鶴瓶も絶賛した。

この作品に共通するのは、時代に合った、そして時代が変わっても変わらない人が人を支え思い合う気持ちが丁寧に描かれ、人として何が大切なのかを教えてくれる心に響くドラマであること。3人のファンはSNSで「視聴率や話題作に関係なく、本当にいい作品が選ばれるATP賞に選ばれる作品に参加できて誇らしい」「おめでとう。続編につながりますように」「こんな素晴らしい作品にキャスティングされて、評価されてうれしい」など、喜びを語り合った。

〈ライター/佐藤ジェニー〉

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