トップ走行中にクラッシュ「飛ばしていたわけではなかった」とラッピ/WRC第5戦 デイ3後コメント

 6月4日、WRC世界ラリー選手権第5戦イタリアは競技3日目に突入。土曜日のデイ3はSS10~17が行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位に立った。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は前日の総合7番手から同6番手へと順位をひとつ上げている。そんなデイ3後のドライバーコメントが各陣営から発表されている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●クレイグ・ブリーン(#42 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合2番手

「赤旗は赤旗だ。やらなければならないことはとてもはっきりしている。残念だがこういうものだ」

●ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合7番手

「コンディションは、とくに出走順が1番手だとかなりひどいものだった。ラインはかなり狭く、通常よりもはるかに難しかった。それを乗り越えられてうれしいよ」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合4番手

「僕はペースノートに“注意”と書いておいたので、ブレーキをとても早くかけたのだけど、タイヤがダメになったようだ! とはいえ、僕たちは満足している。マシンの動きはとても良い。明日は短いが重要な1日だ」

※いずれもSS17後の公式インタビューより

クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第5戦ラリー・イタリア・サルディニア
フォード・プーマ・ラリー1(ピエール-ルイ・ルーベ車) 2022年WRC第5戦ラリー・イタリア・サルディニア
ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第5戦ラリー・イタリア・サルディニア

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイリタイア

「金曜日の技術的なトラブルに落胆してから、僕たちの午前中の目標はラリーに出て大いにプッシュし、楽しむことだった。アグレッシブなタイヤ戦略を立て、オープニングステージは全力で進んだ。タイヤの感触は良かったし、最初のふたつのタイムは興味深いものだったよ」

「だが、残念ながら3つめのステージで限界を超えてしまった。低速の右カーブで足を取られた。ブレーキが遅すぎたんだ。土手に乗り上げてマシンをひっくり返してしまった。僕たちは進み続けたが、最後までたどり着けず、今日はリタイアせざるを得なかった」

「僕たちのラリーは基本的には昨日で終わっていたが、戦いは続けたかった。自分たちのためだけでなく、いつも素晴らしい仕事をしてくれるチームとメカニックたちのためにだ。とくに不可能を可能にしようというときは、リスクがあることは分かっていた。明日ラリーに戻るが、パワーステージで最大のポイントを獲得するために、全力を尽くすよ」

●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合首位

「今日はとても良かったね。走行中のフィーリングは最高だったし、物事をコントロールできた。正直なところ、これほどの走行ができたのは随分久しぶりのことだ」

「コンディションが暑くなると少しチャレンジングになった。とくにランチタイムにね。それ以外では道路はしっかりしていた。楽しかったよ。午前中の最初のステージでは、エサペッカ(・ラッピ)がまだ戦っていて、僕たちは激しくプッシュした。良いスタートを切りたかったんだ」

「その後、僕たちは徐々にスローダウンしていったが、タイムは出続けていた。良いフィーリングとリズムに乗っていれば、そうなるものなんだ。いくつか操作性の問題が出た時もあったが、気温に関係しているようだった。涼しくなるとまた良くなったからね」

「以前このポジションにいたことがあるが、まだあらゆることが起きることは分かっている。フィニッシュラインを越えるまで終わりではないよ」

●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合3番手

「最後に無事にここまでこれたのは、幸運のおかげもある。今日はひやっとした瞬間が何度かあったんだ。今日は僕たちにとって複雑な1日だった。滑りやすいステージではいくらかタイムを失った。この点に取り組む必要があるね」

「2回目の走行は全体的に順調だった。SS16ではスプラッシュで問題があった。少々速いスピードで入ったら、クルマの中に水が入ってきたんだ。一瞬、そこで止まることになるかと思ったけれど、ありがたいことにエンジンが再始動したので、ステージを完走することができた」

「2回目の走行でのクレイグ(・ブリーン)とのバトルは素晴らしかったが、彼は本当に順調な1日を過ごしていて僕たちより速かったから、彼を捉えるのは難しいだろう。ましてや明日はそれほど距離がない。トラブルなしで戦いたいと思うし、ルーベを後ろに抑えておきたいね。ラリーの最後まで幸運が続くかどうか見てみよう」

ダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第5戦ラリー・イタリア・サルディニア
ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第5戦ラリー・イタリア・サルディニア
オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第5戦ラリー・イタリア・サルディニア

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア

「今日は出走順が一番手だったので、いいタイムを出すのは決して簡単なことではないだろうと思っていた。だから、グラベルのステージでクルマを学ぶ良い機会だと捉えテスト的なセッションとして走り、すべてが順調だった」

「しかし、最後から2番目のステージで、残念ながらリヤに衝撃を受けて何かが壊れてしまった。ただし、それによって大きな損失を被ったわけではない。明日は、自分の早い出走順でパワーステージに臨んで何ができるのかを考え、少しでもポイントを獲得したいと思う」

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合5番手

「朝はとくにトリッキーで、路面のグリップが低く、難しいステージだったので、あまり多くのことはできなかった。それでも、何とか自分たちのペースを保ち、午後には少しだけ速く走れるようになった」

「クルマのセットアップを少し変えたところ、グリップもフィーリングも良くなったんだ。そのおかげで、午後は少し楽しく走ることができた」

「とにかくトラブルが起きないように走ることが目標だったが、ライバルが脱落した結果、少し順位を上げることができた。明日も同じように走る予定だけど、最後のパワーステージでは何かできるかもしれないと考えている」

●エサペッカ・ラッピ(#4 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア

「朝、最初のステージは、昨日と走りのリズムを変えず、序盤はとてもクリーンに走ることができていた。リスクはまったく冒していなかったのだけど、道幅が狭いセクションに石があり、それを踏んで走行ラインがほんの少しだけずれてしまったんだ」

「結果的に右側の壁に当たり、続いて逆側の木にぶつかってしまった。とくに飛ばしていたわけではなかったので、正直受け入れ難い。確かにステージは非常にトリッキーで道幅も狭く、所々非常に荒れていた」

「クルマのフィーリングはとても良かったので、明日も同じようなフィーリングを感じることができるかどうか、試してみたいと思う」

カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第5戦ラリー・イタリア・サルディニア
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第5戦ラリー・イタリア・サルディニア

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