生コン不正利用 川崎市内20カ所超で強度調査へ 市が方針

JISに適合しない生コンを製造・出荷した小島建材店=川崎市宮前区

 川崎市の生コンクリート製造業者が、余った生コンを混ぜるなどして出荷し、複数の住宅建築物で建築基準法の安全基準を満たしていない可能性があることが判明した問題で、川崎市は、国から情報提供があった約50カ所のうち、建築物の主要部分に問題の生コンが使われたとみられる二十数カ所について、近く施工業者に強度調査を指示する方針。

 調査対象は1カ所が店舗、残りは全て一戸建て住宅で、十数カ所が入居している。古い生コンを使用しても直ちに影響がないケースもあるが、強度不足が確認されれば仮住まいに移るなどの対応を求める可能性もあるという。

 市建築指導課は「市民の不安を取り除くためにも、速やかに確認作業を進めたい。強度不足が確認された場合は適切に対応したい」としている。残りの二十数カ所は駐車場部分での使用などで、問題ないと判断して調査対象から外した。

 同課によると、1月上旬の降雪の影響で、小島建材店が請け負う現場でコンクリート打設作業が急きょ中止となり、余った生コンを他の現場に回して混ぜ込んだのが始まりという。2月上旬まで古い生コンを使用していたとみられる。

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