太田知里五段がクイーン山添百合八段を破り優勝 「ちはやふる」聖地の福井県あわら市でかるた全国女流選手権大会

白熱した戦いを繰り広げる山添百合クイーン(手前右)らA級部門の選手=6月5日、福井県あわら市のあわら温泉旅館清風荘

 小倉百人一首競技かるたの第54回全国女流選手権大会(福井新聞社後援)が6月4、5の両日、福井県あわら市のあわら温泉旅館清風荘で開かれ、はかま姿に身を包んだ全国トップレベルの選手が、し烈な戦いを繰り広げた。日本一を決めるA級(四段以上)では、石川かるた会の太田知里五段がクイーンの山添百合八段(京都小倉かるた会)を下し優勝した。

 大会は全日本かるた協会が主催し、あわら市共催。A級トーナメントは名人・クイーン位戦、全日本選手権大会、全国選抜大会、ちはやふる小倉山杯と並ぶ女流5大タイトル戦として位置付けられている。

 2017年からは人気漫画「ちはやふる」の“聖地”でもあるあわら市で開催。新型コロナウイルス禍により大会は3年ぶり。感染拡大防止のため参加人数を制限し、A級、B級(三、二段)、C級(二、初段)の3部門で計185人が腕を競った。

 5日のA級には山添クイーンをはじめ、今年のクイーン戦に初挑戦した矢野杏奈七段(東京東会)、福井渚会の三好真智子六段(福井市)らが出場。静まりかえった会場で上の句が読み上げられると、選手らは集中力を研ぎ澄まし畳上に並んだ札をしなやかに払っていた。決勝は白熱した展開となり、太田五段が2枚差で山添クイーンを破った。

 「かるた王国」福井からは23人が出場。A級の入賞は逃したが、C級1組で福井渚会の片山洵奈二段(中学2年)が優勝を果たした。

 対戦の様子は動画配信サイト「ユーチューブ」で配信され、試合の合間にはあわら市の観光情報を発信した。開会式で森之嗣市長は「2年後には北陸新幹線芦原温泉駅が開業する。観光誘客を進め、温泉旅館の広さを活かし、たくさんの選手やファンをお迎えしたい」と強調した。

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