再生可能エネルギー100%の電車運行スタート 福井鉄道、CO2排出量を削減へ電力使用分の「非化石証書」購入 車両の省エネ改造も

実質的に再生可能エネルギー100%で運行する福鉄の880形車両=福井県福井市

 福井鉄道(本社福井県越前市)は、再生可能エネルギー100%の電車運行を開始した。車両内の空調や照明設備を高効率機器に入れ替える省エネ改造も合わせて実施。二酸化炭素排出量を削減し環境対応を強化する。

 北陸電力が脱炭素化を目指す法人向けに4月から提供している料金メニュー「かがやきGREENピュア」を活用。再生エネ由来と示す「非化石証書」を、使用した電力分購入することで二酸化炭素排出量がゼロとみなされる仕組みだ。「880形」車両3編成(6両)で5月から運行を始めた。福鉄によると、県内で再生エネ100%の電車運行は初めてで、全国的にも珍しい取り組みという。

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 3編成のうち2編成は、減速時に生じる電力を架線に戻し再利用する「回生ブレーキ」を導入するなど省エネ改造を行った。車内照明のLED化も図った。残る1編成は2020年度に同様の改造を行っている。

 これらの取り組みによって、年間の二酸化炭素排出量は一般家庭の年間排出量の約300世帯分にあたる約432トン削減できる見込みという。車両改造に関しては、福井鉄道の再建スキーム(枠組み)に基づき、県が設備投資費を補助した。

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