F1ルーキーシーズンは「浮き沈みがある」と周冠宇。僚友ボッタスとのW入賞を目指して集中、将来の心配はせず

 F1ドライバーの多くは、初めてのF1レースでポイントを獲得できないものだが、周冠宇はそれをやってのけた。初の中国人ドライバーである周は今年3月の開幕戦バーレーンGPで10位でフィニッシュしたのだ。

 だがそれ以降、周は少々苦戦しているようだ。チームメイトのバルテリ・ボッタスは第2戦サウジアラビアGP以外のすべてのレースでポイントを獲得しているが、周はバーレーンでの1ポイントのみに留まっている。またボッタスは40ポイントを獲得して世界選手権8位につけているが、周は1ポイントのため18位となっている。

2022年F1第1戦バーレーンGP 周冠宇(アルファロメオ)

 周は自身のルーキーシーズンについて、「浮き沈みがかなりあった」と認めている。

「でも全体的にとても満足だし、ここにいることができてすごくうれしい。これまでのところF1での自分の時間をかなり楽しんでいるよ」

 周のF1デビューによって、中国ではF1への関心が大きく高まっているが、地元中国のファンたちは母国で彼らの新しいヒーローを応援できずに不満を抱いている。中国GPは2020年から中止されており、最近上海で新型コロナウイルスが大流行したことで、2023年のレースも危ぶまれている。

 そして周はどうか? 周はアルファロメオと1年契約をしているが、ザウバーのジュニアドライバーであるテオ・プルシェールはF1への準備を整えているところだ。18歳でフランス出身のプルシェールは現在FIA F2に参戦しており、サクヒールとイモラではフィーチャーレースで優勝。現在チャンピオンシップで2位につけている。

2022 FIA F2第1戦サクヒール レース2を制したテオ・プルシェール(ARTグランプリ)

 現在のところ、周は自身の将来に確信を持っている。

「F1で自分の能力を発揮できるレースが、これからもたくさんあると思っている。まだ先のことはそれほど心配していない。今はスピードを発揮してチームにダブルポイントをもたらすことに集中しようと思っている。そしてすべてが計画通り進んだとして、将来がどうなるかは分からないが、それでも今シーズンにまだ仕事ができると確信しているし、来年の計画がどうなるかまだそれほど心配していないよ」

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