「もっとTokyo」「インバウンド」再開へ 都内の観光事業者は急ピッチで準備

東京都の観光支援策「もっとTokyo(東京)」や外国人観光客の受け入れが再開されることを受け、都内の観光地では急ピッチで準備が進められています。観光事業者からは期待と不安が入り交じる声も聞かれます。

東京都民の都内観光を支援する「もっと東京」は、6月10日から再開されることが決まりました。東京を代表する観光地・浅草で着物の貸し出しを行う店では、観光再開の動きに喜びの声が聞かれました。「浅草 着物レンタル・大吉」の大友雄介店長は「この2年間、コロナでお客が少なくなり、じっと耐えてきた2年間だったので、浅草で商売をする者としては非常にうれしく大歓迎」と語ります。

さらに、同じ10日から再開される外国人観光客の受け入れに、店では外国語の案内の準備を急ピッチで進めていて、早速、海外に住む人からの問い合わせも来ているということです。その一方で、外国人観光客の来日が感染拡大につながるのではないかと懸念する日本人の客からの意見も聞こえてくるということで、大友店長は「インバウンドの人が来てくれるのは非常にうれしいが、そのインバウンドの人が来てくれるからこそ、逆に日本の客足が遠のいてしまうのではないか。非常に複雑な思いで今回のニュースを聞いている」と話し、期待と不安の両面があるようです。

一方、幻想的で美しい"雲海”が広がるのを売りにしている文京区のホテル椿山荘東京で行われていたのは外国人客を案内するための英会話のレッスンです。ホテルの特徴である"雲海”も英語で説明できるよう、練習を重ねています。英会話講師のカルジリオ・リュポフさんは「レッスンで練習してもなかなか実際には使えない時期が続いていた。一生懸命頑張っているので、実現できたらいいなと思う」と話しています。ただ、コロナ禍の間に入社してまだ一度も外国人観光客の接客をしたことがない従業員には不安もあるようです。従業員の遠藤萌香さんは「不安はすごくある。英語がきちんと使えるかとても不安だが、客室までエスコートしてホテルのことを知ってもらえるのが楽しみ」と話しています。

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