新設 “消防団サポーター” に野球部の大学生 西日本豪雨で感じた「すぐに力になりたい」 

「消防団サポーター制度」というものが、広島市で新設されました。大規模災害が起きたときなどに消防団の後方支援をするものなのですが、初代メンバーのほとんどは野球部の大学生…。そこにある自治体側・学生側、それぞれの思いとは…。

広島経済大学の硬式野球部です。部員およそ100人で、野球の練習や体力づくりに取り組んでいます。

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広島市消防局 勝田博文消防局長
「広島市消防団サポーターであることを証します」

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先週、1年生の部員19人が、広島市の初代 消防団サポーターに登録しました。「消防団サポーター」は事前登録制で、18歳以上の市内の大学生や専門学校生などが対象です。活動1時間あたり900円の謝礼金が支払われます。

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広島経済大学 野球部 秋田成輝さん
「野球以外でも多くみなさんの手助けやサポートができたらいいなと思います」

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2018年7月
「府中町消防団です。避難してください」

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大規模災害が発生したとき、消防団員は、最前線で人命救助などの活動に加わります。今回、新設されたサポーターは、その後方支援を担い、土のう作りや飲料水の準備などにあたることが想定されています。

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広島市内で活動する消防団員は年々、減少し、若手の確保が課題となっています。サポーター制度の導入には、若い世代が地域と交流する基盤を作り、将来的に消防団に加入して活躍してもらうことが期待されています。

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広島市消防局 吉野雅人 消防団室長
「地域は若い力を求めているので、こうした消防団の活動を通じてどんどん地域に出てもらって、若い力を発揮してほしい」

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広島経済大学の野球部員は、全員が「消防団サポーター」へ登録する予定です。4年前の西日本豪雨で当時の野球部のメンバーは、練習を取りやめ、すぐにボランティアに向かいました。

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ただ、ボランティアとして登録するための手続きや派遣先の調整に3日ほど必要となり、すぐに活動できないもどかしさを感じたそうです。

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消防団のサポーターとして事前に登録していれば、支援が求められたときに、すぐに応えられることがメリットだといいます。

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キャプテンで岡山県倉敷市出身の福家健太さんは、高校3年生だった当時、倉敷市真備町の被害を目の当たりにしました。

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岡山・倉敷市出身 福家健太キャプテン
「実際に被災された家に行って、濡れたたたみを重かったんですけど、出して、被災された家の方から本当に助かったと言葉をいただけたのが、本当にやっててよかったなと」

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「消防団サポーター」として、ふだんから地域の防災訓練などに参加し、地域との連携を強化することで、支援が必要なときにすぐに力になりたいと考えています。

福家健太さん
「(災害が)ないのが一番いいとは思うけど、いつ、何が起こるかわからない状況で困る方が出てくると思う。少しでも経大野球部として、いち人間として、少しでも多くの方に喜んでもらえるように手助けできたら」

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広島市消防局では今後、「消防団サポーター」を市内8区のそれぞれに30ずつ配置できるよう登録者を増やしていきたい考えです。

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