かつてフタバ図書を経営、(株)SH東雲堂(広島)が特別清算

※画像は実際の企業と関係はありません

 (株)SH東雲堂(TSR企業コード:740122053、法人番号:4240001010458、広島市西区横川町1-10-15、設立1951(昭和26)年7月、資本金4950万円、代表清算人:世良茂雄氏)は5月27日、広島地裁より特別清算開始決定を受けた。
 負債総額は債権者17名に対して193億142万円。

 1913年9月に書籍小売を目的に創業し、1951年7月に法人化。新刊及び中古書籍販売に加えて、CDやDVDのレンタル専門店、ネットカフェ、レンタカー、ゲームセンターなど書店を中心に幅広く事業を手掛けていた。広島県、岡山県、山口県を主体に最盛期は全国に60店舗を超える書店を展開。2010年4月期の売上高は約400億円(公表ベース)となり、地域最大手の書店チェーンとして高い知名度を有していた。
 しかし、2019年6月に入り、一部店舗で「物流システムのトラブルにより未入荷が発生するなど、全店的に入荷が不安定な状態となっています」との案内を掲げ、信用不安が表面化。その後、同月末に開催されたバンクミーティングで、長年に亘って粉飾決算をしてきたことが明らかになり、決算書の再作成や不採算店舗の閉鎖などと引き換えに金融機関から支援を取り付けた。
 こうしたなか、2020年1月に事業再生ADRを申請。広島県が出資する(株)ひろしまイノベーション推進機構(TSR企業コード:742209040、法人番号:5240001040974、広島市中区)が運営するファンドなどが出資する新会社にフタバ図書グループの主要事業を譲渡するスキームが策定された。2021年3月1日に新会社の(株)フタバ図書(TSR企業コード:137211767、法人番号7240001056936、広島市西区)に主要事業が承継され同日、当社は現商号に変更した。
 同年8月1日に関連6社を吸収合併し2022年1月11日、株主総会の決議により解散。4月12日に広島地裁へ特別清算を申請し、今回の措置となった。
 事業は新会社で継続している。

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