工場あるけど店はない…日高屋、地元に感謝の直売自販機が好評 行田の工場内、生ギョーザなど冷凍販売

設置した冷凍自動販売機は好評で、従業員が商品を補充する間も購入客が相次いだ=6日、埼玉県行田市野の日高屋行田工場

 ラーメン店「日高屋」など運営のハイデイ日高(埼玉県さいたま市大宮区)は5月28日から、行田市野の日高屋行田工場で、工場直売の冷凍自動販売機を設置した。冷凍の生ギョーザをはじめ、もつ煮やチャーシューなどを販売。1日10万円程度の売り上げを予測したが、40万円以上を稼ぎ出す日もあり、関係者は「予想を上回る反響で驚いている」と話す。

 行田工場は2005年3月に既存工場、13年11月に新工場が完成し、首都圏に446店舗を展開する日高屋グループのセントラルキッチン。工場生産量は麺ラインが1日18万食、ギョーザが1日53万粒に及ぶ。一方で市内に店舗がなかったことから、同社の吉田信行取締役常務執行役員兼行田工場長(66)は「地域への感謝を込め、ぜひ工場直売をやりたかった」と語る。

 価格は冷凍生ギョーザが5人前(標準30個入り)で税込み600円、冷凍スタミナにんにく生ギョーザが5人前で同700円。冷凍特製豚もつ煮が1パック600グラムで同800円、冷凍特製チャーシューが1パック500グラムで同千円、冷凍辛みそラーメンが1パック2食で同500円。現在は今月30日までのオープン記念として、冷凍生ギョーザを500円で販売している。

 購入客は近隣住民が多く、冷凍生ギョーザの売り上げが5割を占める。雨天だった6日も従業員が商品を補充する中でも購入客が相次いだ。市内から訪れた80代女性と50代女性の親子は「店の味を食べていたので、自宅で味わえるのが楽しみ」と語った。鴻巣市から訪れた男性(85)も「自宅から近いし、ギョーザの値段も手頃」と話した。

 吉田工場長は「自動販売機用に合わせた商品開発には苦労したが、こんなにも売れるとは思わなかった。自動販売機は24時間購入できるので、自宅で日高屋の味を楽しんでもらえれば」と話していた。

 問い合わせは、日高屋行田工場(電話048.559.5121)へ。

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