「SSFF&ASIA」初めて監督を務めた千葉雄大は自身が考えたセリフ覚えに四苦八苦!

米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022(SSFF & ASIA)」が、映画祭開催に先駆け、2022年6月7日(火)にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて、オープニングセレモニーを開催した。

「アクターズ・ショート・フィルム 2」の全5作品がジャパン部門にノミネートされたことを記念し、今回初めて映画監督を務めた青柳翔、玉城ティナ、千葉雄大、永山瑛太、前田敦子がそろって登壇。それぞれ撮られる側の俳優でありながら、撮る側の監督にチャレンジし、面白かった点や苦労した点など、思い思いに作品について語った。青柳からは「悩んだりすることもありましたが、苦労した点はありません。作品の設定が設定だったので、主演の村上虹郎さんにはナーバスになりすぎないようにとお願いしました。僕にはもったいないくらい豪華なキャストに出演して頂いたので、良い部分を切り取れるように探し、努力しました」と、監督らしくコメント。

玉城は自身の作品について 「今回は脚本も書かせていただいたのですが、書き溜めていたストーリーからチョイスしました。コロナ禍真っ只中ということもあり、人と人の繋がりやコミュニケーションに対して、すごく疲れているのと同時にすごく欲している、というような自分の中の感情が色々なものの挟間にあるという、こういう気持ちを誰かに聞いて貰えたら良いのか、と自身へのカウンセリングのように書きました。そのため、大人数ではなく一人と一人、シンプルなコミュニケーションに戻った時に何が生まれるのか、から着想を得ました」と語る。

主演として自身の作品に出演もこなした千葉は、「脚本も自分で書き、出演もしたのですが、誰が書いたのだろう、と思うくらいセリフを覚えるのが大変でした」と、コメントして会場の笑いを誘った。さらに、『男女の友情』から着想し、見ている人がその二人に混ざっている、ドキュメンタリーのような会話の流れになれば良いと思ったので、アドリブより台本をしっかりしました」とコメント。MCから現場で主演の役所広司に演出も含め監督としてどのような話をしたか、という質問を投げられた永山は、「僕は脚本を書いたつもりだったのですが、主演の役所さんからは『メモのようなもの…』と言われましたが、出演を承諾頂きました。セリフや細かいことを決めつけずに、現場で起こるものを撮りたかった」と語った。

前田は、「普段仲が良い柳英里紗さんと三浦貴大さんに出演してもらいました。女性同士の友情を描きたかったのですが、脚本家の根本宗子さんとは、それが女子でなくても良いと話し合った結果、三浦さんには女性役と言わずにオファーしたのですが、ステキな女性を演じて頂きました」と笑顔で答えた。

本セレモニーは、「アクターズ・ショート・フィルム 2」のトークセッションだけでなく、グランプリが発表される6月20日(月)のアワードセレモニーに先駆け、9つの賞の発表・表彰及び、映画祭と企業によるショートフィルム制作プロジェクトの発表が行われた。オープニングを飾るのにふさわしい9つの賞は、U-25プロジェクト、Shibuya Diversity Award、バイオジェン・アワード、第8回BOOK SHORTSアワード、ミュージカルショートフィルム企画コンペティション(アミューズ)、今年新設となるMILBON BEAUTY AWARD、地球を救え! 環境大臣賞・J-WAVEアワード、グローバルスポットライトアワードになります。その中のU-25プロジェクトのプレゼンターとして登場した黒木瞳は、「まず田村監督、本当に受賞おめでとうございます。U-25ならではのスピード感、せつないけれどユーモ
ラスな展開、どなたが観ても共感できる作品となっておりました」と大絶賛。そして、MCから今年は監督としてご自身もジャパン部門にノミネートしていることを触れられると 「数年前、ブランデッド部門に審査員も兼ねて参加しました。100本近い短編映画を拝見し、その魅力や奥深さをひしひしと学びました。今回の作品は、ジャパン部門に応募したい、という想いを胸に作りました。ノミネートし、上映させていだき、感謝で一杯です」と、はにかむような笑顔でコメントした。

また、株式会社アミューズとのミュージカルショートフィルム企画コンペティションの最優秀企画では、アミューズ 山内学執行役員とプレゼンターの柚希礼音が登壇。山内執行役員から20優秀企画として選出された「The Sweet Impulse」に関して、「HIPHOP、オルタナティブ、ポップス、ギター弾き語りなど、音楽の強さとストーリーのユーモアがかけ合わさり、この企画がどんな映像になるのか、と大変楽しみな企画でした」と選考理由をコメント。柚希からは、「ミュージカルは音楽がとても大切になってきますが、とてもおしゃれで。これがどのようにキャラクターの心情を表現していくのか、短いながら、とてもストーリーがしっかりしていました」と優秀企画について触れると共に「ミュージカルはお芝居と違い、さらに役の心情を歌や踊りで表現できる、という魅力がありながら、見ている方々に急に歌ったり踊ったりしている、と思われないように、創り手としては、ストーリの中で、とても気持ちが高ぶったり、その人がどう思っているなどを掘り下げるのに、その心情を謳ったり、踊ることで表現することを大切にしています」と、演者としての目線でミュージカルの魅力を語ってくれた。

本年、24回目を迎える映画祭。今年のテーマ「Meta Cinema(メタ シネマ)~超える・見つける・始まる」らしく、映画祭代表 別所哲也はデジタル空間から登場し、「本年は、ゲームエンジンを利用したアニメーション作品を集めたセレクションやバーチャルシアター、AIとショートフィルムをテーマにしたセミナー、スマートフォンで撮影した作品の特集など、空間や従来の映像概念を超越した世界を皆さんにご提供します」と挨拶。また、フェスティバルアンバサダーのLiLiCoは、今年初の試みで設置したスペシャルトークスタジオ(レッドカーペット)にて、オンライン配信限定の来場ゲストへの特別インタビューを実施し、会場と並行してセレモニーを盛り上げた。最後には、ステージ上に登壇し、「やっと、この中(会場)の空気が吸えました。本イベントは、ショートフィルムのイベントなのにいつも長いと言われますが、それだけショートフィルムには色んな魅力があり、どんどんお話したくなります。映画祭の最終日、6月20日にはアワードセレモニーもあります。今年はどなたの手にトロフィーが輝くのでしょうか?期間中は様々な国のショートフィルムで、知らない文化、知らない国、知らないセンス、ショートフィルムの世界に浸ってください!」という締めの挨拶で、本セレモニーは幕を閉じた。

© 株式会社ジェイプレス社