「中絶」に配偶者の同意は必要か? 日本は今や世界で少数派

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)、「コメンテーターZ モチコミ!」のコーナーでは、インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんが、“中絶における配偶者の同意の是非”について意見を述べました。

◆日本では中絶を行う際に配偶者の同意が必要

能條さんによると現在、日本では基本的に中絶は外科的手術しか認められておらず、「経口中絶薬」の認可に関する議論が進行中。しかし、費用やアクセスの問題など課題は山積。そうしたなか、能條さんは「母体保護法」で既婚者は配偶者の同意がないと、飲むタイプの"中絶薬”を使えないことを知ったと言います。

現在、中絶に配偶者の同意を必要としているのは、日本を含め、トルコ、モロッコ、シリア、サウジアラビア、クウェート、イエメン、アラブ首長国連邦、台湾、インドネシア、赤道ギニア共和国の11ヵ国・地域のみ。能條さんは「他の国も最初は配偶者の同意を必要としていたけど、時代に合わせて変わってきている」と言います。

日本でもDV被害などの事情で配偶者の同意なしでも中絶できる例もあるそうですが、能條さんは「これが死体遺棄事件などに繋がったりもしていると思うので、撤廃されるべきだと思い、今回紹介した」と胸の内を語ります。

中絶に配偶者の同意を必要としている国は中東やアジア、そしてアフリカに限られ、キャスターの堀潤は「地域性が出ますね」と感想を述べつつ、欧米はどうしてきたのか疑問を投げかけます。

これに能條さんは、英紙「ガーディアン」の記事を引用。そこには、議会が男性優位の国が中絶に配偶者の同意を必要としているとあり、欧米も当初そうだったものの、女性が議会に加わり変わってきたと書かれていたそう。

では、どうすれば撤廃へと前進するのか。政治プラットフォーム「PoliPoli」代表の伊藤和真さんは、何度か有識者を招聘して議論してきたそうですが、そのなかで「医師会の方々は慎重な意見を言われる方が多い」と印象を述べます。

そして、「良いところ、悪いところがあると思うので、しっかり議論していくべき」と主張しつつ、「ただ、やはり時代に合わせてアップデートしていくべきだなとは思う」とも。

アメリカでは「中絶の権利」自体が大きな論点となっていますが、能條さんは「これは誰のためにあるのかというところからきちんと議論すべき」と強調。そして、「今、アメリカでは中絶が禁止されそうになっていますが、女性の健康、自分の健康については自分で決められる状態を作らなければいけないと思う」と主張していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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