静寂の闇にホタル乱舞 東備で見頃 赤磐と和気の観賞スポット

滝山川の川面を乱舞するホタル=4日午後8時23分(1分30秒露光)

 東備エリアで、ことしもホタルが舞う季節になった。赤磐市と和気町のスポットでは、日が暮れると、神秘的な“光のショー”が繰り広げられ、静寂の闇に黄色い光跡が漂う。

滝山川周辺(赤磐市滝山)

 赤磐市滝山の滝山川周辺では夜になると、たくさんのホタルが空中を優雅に飛び交う。見頃は今月半ばまで。

 観賞ポイントは、国道374号の中村橋(周匝)から西に6キロほど離れた堤防沿い。地元住民によると、5月25日ごろから姿を見せ始めた。午後8時ごろには無数のホタルが川面を乱舞するという。

 かつて滝山川では、草木が茂って日光が届きにくくなり、餌の巻き貝が減ったことに伴い、ホタルの個体数が激減。そこで、地元住民グループが2008年から雑木の伐採や幼虫の放流に取り組み、ホタルを復活させた。

 滝山区長の荒島正弘さん(65)は「昨年より生息範囲が広がり、飛んでいるホタルの数は多い印象。観賞マナーを守って楽しんでほしい」と話す。

日笠川一帯(岡山県和気町日笠地区)

 岡山県和気町日笠地区の日笠川一帯では、ゲンジボタルが生息し、柔らかな光を放っている。漆黒の夜を彩る初夏の風物詩。幻想的な空間は今月下旬まで楽しめそう。

 週末の4日は、辺りが暗くなった午後8時ごろ、川の中の草むらのあちこちで黄緑色の光が点滅し始め、淡く細い線が覆い尽くした。カメラ愛好家や地元住民がぽつぽつ訪れ、この時季ならではの光景にしばし浸った。

 今年は5月下旬ごろから飛び始めたという。都会ではなかなかお目にかかれない息をのむ光景。町の広報担当者は「12日ごろまでがピークだろう。新型コロナウイルス予防のため、できるだけ密を避け、足元に注意して観賞してほしい」としている。

日笠川周辺で舞うゲンジボタル=4日午後8時45分(露光51秒)

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