役所広司、和平実現のため食い下がる 河井継之助の信念を体現 「峠 最後のサムライ」小千谷会談本編映像

6月17日より劇場公開される、役所広司が越後長岡藩家老・河井継之助を演じる映画「峠 最後のサムライ」から、小千谷会談のシーンの本編映像が公開された。

薩摩・長州が明治新政府を樹立し、新政府に従って倒幕派につくか旧幕府派(佐幕派)につくかで日本が二分されていくなか、長岡藩の家老・河井継之助は、武装中立の姿勢を貫こうとした。戊辰戦争がはじまると、新政府軍は諸藩に対して会津藩討伐のための出兵と献金を求めるが、東北・北越諸藩は一方的な要求をはねつけ、「奥羽越列藩同盟」を結成する。新政府軍にも同盟軍にも属さない武装中立を表明した長岡藩だが、新政府軍は長岡藩を敵とみなし、小千谷まで兵を進める。継之助は、和平実現のため、新政府軍が本営を敷く小千谷の慈眼寺へと直談判に向かう。

公開された本編映像では、継之助が新政府軍の軍監である土佐藩出身の岩村精一郎と会談する様子が切り取られている。継之助が「双方にとって戦いは避けなければなりません」と静かだが鬼気迫る様子で訴え、嘆願書を大総督府に取り次ぐよう願い出るが、岩村は「問答は無用である」と継之助の要求を退ける。声を荒げ敵意をむき出しにする岩村に対し、「お怒りはごもっともでござる」となおも食い下がる継之助。しかし、血気盛んな岩村は武力衝突での解決しか頭になく、「あとは砲弾の中で、相見えるだけのこと!」と、継之助の言葉を聞こうとしない。

継之助について「未来を見据えた、毅然とした態度から出てくる決断力は、リーダーとして理想の人物だと思う」と語る役所広司が、”戦わないために対話を諦めない”という継之助の強い意志を体現している。

「峠 最後のサムライ」は、”幕末の風雲児”と呼ばれた越後長岡藩家老・河井継之助を描いた司馬遼太郎の小説「峠」を映画化した作品。諸国へ遊学してグローバルな視野を培い、領民のための斬新な藩政改革を次々と実行した河井継之助。越後長岡藩を率いた戊辰戦争では東軍・西軍のいずれにも属さない「武装中立」を目指すものの、和平を願って臨んだ談判は決裂。継之助は徳川譜代の大名として義を貫いて西軍と砲火を交えるという決断を下し、敵軍50,000人に対してたった690人で戦いを挑むことになる。

黒澤明監督の助監督を務めてきた「雨あがる」などの小泉堯史が監督・脚本を務め、役所広司が河井継之助を演じている。他の出演者には、松たか子、香川京子、田中泯、永山絢斗、芳根京子、坂東龍汰、榎木孝明、渡辺大、東出昌大、佐々木蔵之介、井川比佐志、山本學、吉岡秀隆、仲代達矢らが顔をそろえている。

【作品情報】
峠 最後のサムライ
2022年6月17日(金)全国ロードショー
配給:松竹、アスミック・エース
🄫2020『峠 最後のサムライ』製作委員会

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