国交大臣表彰を受賞 土砂災害防止功労 犠牲者なく、迅速避難 地滑り被害の糸魚川市来海沢区

 昨年3月に地滑り災害が発生した糸魚川市来海沢区(神喰重信区長、21世帯・33人)はこのほど、和歌山県田辺市で開かれた土砂災害防止「全国の集い」で、令和4年度土砂災害防止功労者の国土交通大臣表彰を受賞した。
 国土交通省は6月を「土砂災害防止月間」に定めている。国民に土砂災害の防止や被害軽減の重要性を認識し、理解を深めてもらうため、各種行事や功労者の表彰を行っている。
 功労者の表彰は、土砂災害防止に関して顕著な功績があった個人・団体に対し国交省が行うもの。本年度は6個人、1団体が受賞した。
 来海沢区は、地域住民の生命または身体の保護、被災地域の情報提供、社会秩序の保全および被災者支援の表彰基準に該当。深夜に発生した災害にもかかわらず、1人の犠牲者も出さず、迅速な避難行動を完了できた地区として受賞した。日頃の訓練と防災意識の高さ、地域コミュニティーの連携の緊密さが評価された。

土砂災害防止功労者の国土交通大臣表彰を市長報告した神喰区長(中央右)と松澤副区長

 神喰区長、松澤英夫副区長は、7日に市役所を訪れ米田徹市長に受賞を報告した。神喰区長は「小さな集落での受賞はめったにないことで、その点は素直に喜びたい」と話し、市、市消防本部、県、国の協力や指導、多くの市民の支援に感謝。「今後も防災意識の向上を頭に置き、引き続き復興に向けて、気を張って努めていきたい」と決意を述べた。
◇上越市板倉区国川へ視察研修
 来海沢区は13日、地滑り視察研修を実施する。10年前に地滑り災害が発生した上越市板倉区国川の被災現場、地すべり資料館を訪問し、説明を受ける。

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