「核廃絶 一歩進めるためウィーンへ」若者の思い 核禁条約締約国会議 開会 迫る

核兵器禁止条約の初めての締約国会議は、今月21日からオーストリアのウィーンで開かれます。日本政府は、この条約と距離を置き続けていますが、今回、ウィーンの地に赴く核兵器廃絶に取り組む若者グループの女性の思いを取材しました。

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ソーシャル・ブックカフェ「ハチドリ舎」のスタッフ・瀬戸 麻由さんです。瀬戸さんは、核兵器廃絶を目指し活動している若者たちのグループ「カクワカ広島」の一員としてウイーンに渡ります。

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瀬戸 麻由さん
「いろんな人と意見や思いを交流して、具体的な一歩の進め方をたくさん吸収して帰りたい」

現地では、締約国会議のほか、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のフォーラムに参加。被爆者を語学面などでサポートしたり、世界中から集まる若い世代と意見を交わしたりしたいと意気込みます。

■「語り部を身近に感じてほしい」“6”の付く日は被爆者と交流の場

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瀬戸 麻由さんと堀江 壮さん(81)
― いつ、行くの?
「15日」
― うらやましい。

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ハチドリ舎では、「6」の付く日に語り部の被爆者と交流できる場を作っています。この日は、4歳のときに被爆した堀江壮さん(81)です。

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瀬戸 麻由さん
「一方的にお話を聞くだけじゃなくて、もし間で『これって、どういうことですか』って聞きたいときがあったり、わからない言葉があったり、自分のことで話したいことがあったら、自由にやり取りできる場なので」

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4歳のときに被爆 堀江 壮さん
「途中でいっこうにかまわんですから、『どういうこと?』って聞いて」

瀬戸 麻由さん
「ぜひ、きょうはお友だちに、お知り合いに、仲良くなってもらう、出会ってもらう」

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語り部を身近な存在として感じてもらいたいとコロナ禍で対面が難しいときもオンラインでこの交流の場を続けてきました。堀江さんも瀬戸さんがウィーンへ行くことを喜んでいます。

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堀江 壮さん
― 瀬戸さんがウィーンに行くと聞いて?
「うらやましい。彼女は(英語が)ペラペラだし、しゃべれるから。自分の語学能力を生かして、精一杯アピールしてほしい」

■ウクライナ侵攻 核兵器使用の示唆「今こそ核兵器禁止条約を機運を高める必要がある」

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ロシア軍によるウクライナ侵攻。核兵器の使用を示唆するロシアに世界情勢は混沌としています。瀬戸さんたちカクワカ広島のメンバーも原爆ドーム前で抗議の声を上げました。「いったい何をしたら世界は良くなるのだろうか」―。自問する日々が続いたといいます。

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瀬戸 麻由さん
「核兵器禁止条約という仕組みをみんなで作るぞという機運が高まるというのが、今の世界にすごく必要なことだなと、わたし自身思っている」

核兵器の保有はもちろん、威かくも禁じる核兵器禁止条約こそ、今、必要なものだという瀬戸さん…。「この世界をどうしていきたいのか、若い世代が自分たちの言葉で発信していくことが大事だ」と力を込めます。

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そして、そのために世界の若い世代同士がつながっていくことが必要だと考えています。

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瀬戸 麻由さん
「1つでも多くのつながりを作って、締約国会議は今回が最後ではないですから、また次の会議、次の会議につなげられるようにバトンをつなげられるようにいろんなことを吸収していきたいなと思っています」

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