岡山県内12旅客船事業者に不備 運輸支局、知床事故受け緊急点検

 北海道・知床の観光船沈没事故を受け、国が全国の旅客船事業者を対象に実施した緊急の安全点検で、中国運輸局岡山運輸支局は9日、岡山県内では対象22事業者のうち12事業者の安全対策に不備があったことを明らかにした。

 船に常備しておかなければならない安全管理規定が古い内容のままで更新されていなかったり、悪天候などで運航を中止した際の記録が残されていなかったりといった不備が確認された。いずれも航行の安全に支障のある内容ではなく、口頭での指導にとどめたという。

 緊急点検は4月25日、全国一斉に開始。県内ではフェリーや小型定期船、遊覧船の事業者が対象となり、5月下旬までに立ち入り点検した。

 中国運輸局管内の岡山、広島、鳥取、島根県と山口県の一部では101事業者のうち19事業者で不備を確認した。同運輸局は「事業者が安全第一の運行を行えるよう日常の点検も含め、適切な指導を今後も行っていく」としている。

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