ガスリー、ペレス残留を冷静に受け止め、将来を検討へ「望みは優勝争い。全選択肢を吟味し、レッドブルF1と話し合う」

 アルファタウリF1のピエール・ガスリーは、レッドブルがセルジオ・ペレスとの契約を2024年末まで延長したことは「理にかなった」決断であると語った。少なくともあと2年はレッドブルに昇格する可能性がなくなったガスリーは、将来についてあらゆる選択肢を検討するとも述べている。

 ガスリーは2019年にトロロッソ(現アルファタウリ)からレッドブルに昇格されたが、上層部はそのパフォーマンスに不満を持ち、シーズン半ばにトロロッソに戻された。しかし、それ以来ガスリーは、2019年ブラジルGPの2位、2020年イタリアGPの優勝、2021年アゼルバイジャンGPの3位など、好結果を挙げており、多くの人々からより高い評価を受けるようになった。

 優勝を狙えるチームで戦いたいガスリーは、レッドブルから2度目のチャンスを与えられることを望んでいたが、ペレスの新たな2年契約により、近い将来、彼の願いがかなう可能性はなくなった。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 アゼルバイジャンGPを前に、レッドブルの決断について聞かれたガスリーは、「僕に言えるのは、理にかなっていることであり、驚きのようなものはなかったということだ。僕はとても客観的な人間なんだ」と語った。

「彼らが(マックス・フェルスタッペンのチームメイトである)ふたりめのドライバーに何を望んでいるかを考えれば、ペレスはすべての条件を満たしている。彼は今、素晴らしいシーズンを送っており、とてもいいパフィーマンスを見せている。速さがあり、金銭的な後ろ盾もあり、経験も豊富だ。レッドブルにぴったりのドライバーだ」

「その一方で、(レッドブルの決定が)僕のキャリアや野心に影響を与えることは明らかだ。それについては今、僕たち全員にとって何がベストなのか、ここからどう進んでいくのかを決めるために、(レッドブルのモータースポーツコンサルタントである)ヘルムート(・マルコ)と話し合っている」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ)とヘルムート・マルコ(レッドブル・モータースポーツコンサルタント)

 ガスリーはレッドブルとの契約の下でアルファタウリで走っており、現契約は2023年末で切れる。アルファタウリは今年ここまで好調とは言えないものの、ガスリーは今は自分のチームでベストを尽くすことに集中しているという。ただ、自分の望みは、トップ10争いではなく優勝をかけて争うことであると明言している。

2022年F1第7戦モナコGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ)

「もちろん今はアルファタウリでの仕事に集中している。今年は僕たちが思っていたほどの競争力を発揮していない。これからさらに厳しい状況に置かれるかもしれないが、それでもこのチームのためにベストを尽くしていく」

「去年は予選で6番手につけて、隣にシャルル(・ルクレール)がいたことが何度もあった。1年でこれほど状況が変わり得るなんてクレイジーだよね。シャルルはタイトルを争い、僕たちはトップ10に入ることを目指して戦っている」

「以前よりも困難な状況だ。でも僕は、チームを前進させるためのチャレンジは好きなんだ」

「個人的にはもちろん野心がある。トップ10入りをかけて争うよりも、もっと大きな野心を持っているんだ。トップ10に入るために毎日努力しているのではない。それ以上のことを望んでいる。トップで戦いたいんだ。でも、今最優先しているのはアルファタウリのためにいい仕事をすることだ」

「僕たち全員にとって何が最善なのか、どうしていくのかについて、ヘルムートとこれから話をしていく。僕たちの関係は10年におよぶ。彼らは僕のことを子どものころから知っていて、僕をよく理解している」

「ヘルムートとはとても良い関係を築いている。全員にとってうまくいくにはどうするべきかを見つけることが重要だ」

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP トラック・ウォークをするピエール・ガスリー(アルファタウリ)

 来季にも他チームに移籍する可能性があると推測されているガスリーだが、今は、2023年末でレッドブルとの契約が終了した後のことについて考えていると語った。

「2023年の後に向けて、今、すべての選択肢を検討している。2023年の後は(契約が)何もないからだ」とガスリーが述べたと、『Sky Sports F1』が伝えた。

「状況を見ていくよ。彼ら(レッドブル)は僕を残したいと考えている。彼らのプログラムに残すことを望んでいるんだ。でも、どうすればうまくいくかを見ていく必要があるし、通常の会話を続けている」

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