「都民割」+「しまぽ通貨」再開へ 観光復活の救世主となるか…島の期待は?

東京都による都民に向けた観光振興策「もっとTokyo(東京)」が6月10日から再開されます。これに併せて販売再開となるのが、東京都内にある11の島で使えるプレミアム付き宿泊旅行商品券「しまぽ通貨」です。コロナ禍で観光が落ち込んだ島しょ部の救世主となるのでしょうか。

10日から始まる都民の都内旅行が割引となる都民割「もっと東京」と、島限定のプレミアム付き宿泊旅行商品券「しまぽ通貨」の販売が同時に再開となることで、いま、島の観光に注目が集まっています。青い海に白い砂浜、そして夜には満点の星空が広がる伊豆諸島の神津島にあるダイビングショップ「アクアメイトダイビングクラブ」の松江慎一郎代表は「コロナ禍の2年間はかなり閑散としていて、いつもの夏ではなかった」と振り返った上で「きょうもお客さまから『しまぽ通貨』について問い合わせがあった。反響が大きく、今後に期待したい」と話します。

神津島にはコロナ前、年間およそ5万人が島を訪れていましたが、感染拡大の影響で半数以下に激減しています。また、2020年12月には日本で2カ所目となる国際ダークスカイ協会が認定した「星空保護区」にも選ばれましたが、コロナ禍でなかなか観光につなげにくい状況が続いていました。

こうした中で迎える「都民割」と「しまぽ通貨」の再開の"期待感”について、神津島村の前田弘村長に話を聞きました。すると、村長からは意外な答えが返ってきました。都民割については対象期間(トライアル期間)が6月10日から7月31日までのため、元々一番の繁忙期であるこの時期は恩恵を受けにくい状況があると村長は指摘しました。そして「(この時期は)都民割がなくてもお客さんは来てくれると思う」と見通しを語りました。その一方で「しまぽ通貨」は2023年3月末まで使えるため、夏の繁忙期が過ぎた後も観光客が増えることを期待していると語りました。前田村長は「しまぽ通貨があることで神津島など『島を知る』ことができる。そういう意味で期待感はある。やはり、島は観光で頑張っていかなくてはいけないと思うので、後押ししてもらえるのは大変うれしいこと」と期待感を示しました。

© TOKYO MX