60年の歴史、京都の自動車教習所が閉所へ 黒字でも「自らの役割終えた」

閉所を決めた岩倉自動車教習所(京都市左京区)

 60年の歴史を持つ岩倉自動車教習所(京都市左京区)が6月末で閉所する。背景には少子高齢化や若者の車離れがあり、「現状では黒字経営だが、将来性を考えて判断した」という。

 同所は四輪専門の教習所として1962年に開所した。教習生は9割以上を大学生が占めてきたが、1990年のピーク時に比べて現在は3分の1ほどに減少しているという。

 数年前から、全国の学生を集めようと京都観光とセットにした合宿免許を企画したり、空き教室や屋内駐車場をドローンの室内練習場として貸し出したりするなど、教習生の減少を補うための新たな事業を展開してきた。ただ、今後はさらに少子化や車離れが進むと見込まれることから閉鎖を決めたという。

 閉所日までに卒業できなかった教習生は、他の教習所に引き継ぐ。跡地の活用法は未定。岩倉自動車教習所は「京都は他にも教習所が多くあり、自らの役割は終えたと考えている」としている。

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