神奈川県立芹が谷やまゆり園の運営者変更へ 相模原障害者殺傷事件の津久井園関連施設 県、横浜の社福グループ選定

芹が谷やまゆり園(資料写真)

 神奈川県は10日、知的障害者入所施設「県立芹が谷やまゆり園」(横浜市港南区)の運営を2023年度から5年間担う指定管理者候補として、横浜市内の社会福祉法人のグループを新たに選定したと発表した。県立津久井やまゆり園(相模原市緑区)で2016年7月に起きた殺傷事件後に整備され、津久井園に入所していた人たちが暮らす施設の運営者が替わる見通しになった。

 両園の指定管理者である社会福祉法人「かながわ共同会」(秦野市)は津久井園の管理者候補には選定されたが、芹が谷園では落選した。事件後、県立施設の在り方の見直しが進む中、新たな局面を迎えた。

 選定されたのは、いずれも入所施設などを運営している同愛会(横浜市保土ケ谷区)と白根学園(同市旭区)のグループ。両施設はこれまで津久井園入所者計4人を地域生活移行を見据えて受け入れており、すでにグループホームで暮らしている人もいる。地域生活移行を進める入所施設の新たな運営方法を示すとして、共同で施設運営する。

 県は、識者らで構成する外部評価委員会での評価に沿って選定。選定理由については「地域生活移行の実績があり、取り組みが一層進むことが期待できる」としている。開会中の県議会に関連議案を提出し、議決を経て8月に正式決定される見通しだ。

 指定管理者制度が導入されている県立障害者施設5施設で運営者が替わるのは初めて。最初に指定管理者制度が導入された津久井園は、共同会が2005年度から運営している。事件後、津久井園を小規模分散化させる目的で芹が谷園が整備され、21年11月に開所した。

 両園の運営を巡っては、共同会の指定期間は24年度末までだったが、津久井園で不適切な支援があったなどとして22年度末までに短縮され、公募することになった。 

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