流麗な筆致の仮名や漢字 一堂に 倉敷市書道展が開幕

書家や愛好家による力作が並ぶ会場

 「第50回記念 倉敷市書道展」(市、市文化連盟、山陽新聞社主催)が10日、同市中央の市立美術館で始まった。市内を中心とした書家や愛好家の秀作を展示。流麗な筆致でしたためた仮名や漢字など多彩な書が一堂に会し、来場者を引き込んでいる。

 新型コロナウイルスの影響で開催は3年ぶり。漢字、仮名、近代詩文、前衛、刻字の5部門に寄せられた325点を前期(12日まで)と後期(17~19日)に分けて展示する。最高賞の山陽新聞社大賞に輝いた前田花峰さん=同市=の近代詩文「浄玻璃の鏡」などの特別賞や、審査員らの作品は会期を通して並べる。

 前期は約200点を展覧。会場には初日から書道ファンらが足を運び、細部まで趣向を凝らした力作に、一点ずつ足を止めながらじっくりと見入っていた。音楽講師の女性(64)=同市=は「同じ字でも、言葉に合わせて形や墨の濃淡などが使い分けられている。落款(らっかん)にも遊び心が見られて面白いです」と話していた。

 節目を記念し、同展で審査員を務めた物故者の作品を紹介する特別展「倉敷市書道展に尽くした書家の作品展」も同時開催している。

 午前9時~午後5時(19日は午後3時まで)。入場無料。19日午後2時から同美術館で表彰式を行う。

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