宮城県沖地震から6月12日で44年 幼稚園でも避難訓練 子どもたちの命を守る

6月12日のみやぎ県民防災の日を前に、仙台市若林区の幼稚園でも避難訓練が行われました。幼い子どもたちならではの難しさがありました。

237人の園児が通う、若林区のドリーム幼稚園では毎年、みやぎ県民防災の日に合わせ避難訓練を行っています。防災への意識を一層高めたのが東日本大震災です。

ドリーム幼稚園末屋保広園長「30センチ弱くらいまでは水が来ましたね」

海から4キロほど離れた園の周りには、津波が押し寄せました。

当時、園には卒園式を終えた園児や保護者50人ほどがいましたが、1.5メートルほどかさ上げして建てられた園舎は被害を免れました。

ドリーム幼稚園末屋保広園長「仙台市では一番海から近い幼稚園の部類になると思うので、実際ここまで津波が来た地域にある幼稚園なので、同じような災害が無いということはない」

10日、大地震を想定した避難訓練が行われました。

「ガタガタガタ大きな地震がやってきました。テーブルの下に避難します」

机の下に隠れて、揺れが収まるのを待ちます。

「避難開始」「かばん持って先生の所においで」

そして、職員が誘導しながら園児全員を園庭に集合させます。

園から歩いて15分ほどのところには、市の指定避難所の中学校がありますが、末屋園長は子どもたちを連れて逃げるのは難しいと考えています。

ドリーム幼稚園末屋保広園長「バスで1回で30人とか40人弱の移動になると、うち250人ですからピストン輸送にならざるを得ないので、なかなか現実的には歩いてみんなで手をつないでと言ってもすぐに行ける距離ではないので、なかなか苦しいのではないかな」

園では移動中に津波に遭うリスクを考え、園舎の2階に逃げることにしています。

訓練では、園児全員が17分ほどで避難を終えることができました。

園児「避難訓練やった。テーブルの下に隠れた」「安全な所に逃げようって」

いざという時に、多くの園児をどう安全に避難させるのか。

末屋園長は、何度も訓練をすることで子どもたちに命を守る行動を体で覚えてほしいと話します。

ドリーム幼稚園末屋保広園長「体に染み込ませることが必要だと思うので、5回6回繰り返すことで体の反応で地震の時には机の下に隠れるということが条件反射的に備わってもらえれば」

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