新LMP2レギュレーションは2025年から30年まで有効。年2回の“AoP”プロセスを導入へ

 ACOフランス西部自動車クラブは6月9日、ル・マンで開催されたACO年次記者会見において、次世代LMP2レギュレーションについて言及。2025年のWEC世界耐久選手権に登場する新型マシンが、年2回の“性能調整”によって技術的に管理されることを明らかにした。

 ピエール・フィヨンACO会長は、ル・マン24時間のレースウイークに行われたカンファレンスの場で「LMP2の新しい規則が2025年に到着し、2030年末まで続く」と述べた。

 この発言は、技術的なパラメーターを定義する時間を確保し、シャシーコンストラクターがコスト管理の目標を達成できるようにするために新型車の登場を当初の予定から1年遅らせ2025年としたことを確認した、今年3月の決定を再確認するものとなった。

 金曜日の会見でフィヨン会長は、WECのハイパーカーやLMGTE両クラスで採用されているレースごとの性能調整(BoP/バランス・オブ・パフォーマンス)とは異なる“AoP”のプロセスを、プロアマのプロトタイプカテゴリーに導入することを明らかにした。

 とくにGTレースで採用例の多いBoPは2017年の導入以来、現在までWECとELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2クラスでは車両間の性能調整のために使用されていない。

 次世代のマシンは、現行のLMP2シャシーを供給している4つのコンストラクターが、引き続き開発と製造を任されている。フランスのオレカ、リジェ・オートモーティブ、イタリアのダラーラ、カナダのマルチマチック、これら4つの企業のシャシーは自動車メーカーのロードカーの意匠やブランドの特徴を埋め込むことができるLMDhカーのベースシャシーとしても使用される。

 AoPプロセスがどのように機能するかについての詳細は、現段階では限られている。

 ル・マンのサルト・サーキット内にあるMMアリーナ・スタジアムで行われた記者会見で、フィヨン会長は「それはバランス・オブ・パフォーマンスではない」と述べた。

「年に2回、出力とシャシーに関するいくつかのパラメータを確認する」

 また、同氏は将来的なハイブリッド化についても、その可能性を匂わせた。

「私たちが二酸化炭素の排出量を削減するためにLMDhの背骨を使っている事実を考えれば……このクルマは、長期的にはハイブリッド車にすることができるだろう」

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