ウクライナ侵攻で主張物議の観光大使、市長「一度会って見極めたい」 京都・南丹

南丹市がウクライナ侵攻に抗議し、連帯を示すライトアップを行った市国際交流会館(3月19日撮影)

 京都府南丹市の西村良平市長は10日、市議会6月定例会の一般質問で、ウクライナ問題で「陰謀論」との指摘もある主張をする元外交官馬渕睦夫さんを市が「文化観光大使」に任命したことの妥当性を問われ「一度お会いしてじっくりとお話しし、見極めていきたい」と答弁した。

 同市が4月に観光大使を委嘱した馬渕さんは、闇の勢力「ディープステート」が世界を操っており、ロシアによるウクライナ侵攻にも関わっているとの持論を展開している。

 一般質問で市議が「平和の願いに挑戦する暴論。適格性が欠けることは明らか」と解嘱を求めた。西村市長は、馬渕さんと電話で話したと明かし「戦争や虐殺には反対の立場だった」と述べた。通読したという著書にも「真っ向から戦争を容認し、ロシアを擁護する記述はない」とし、「もう少し確認していきたい。個人の思想信条に関わり、慎重に扱うべきだ」と述べた。

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