西九州新幹線 武雄―長崎は最速23分 長崎―新大阪 最大30分短縮

西九州新幹線開業後の運行体系と現在の運行体系

 JR九州は10日、9月23日の西九州新幹線(武雄温泉-長崎)開業に伴うダイヤ改正を発表した。新幹線かもめは1日当たり44本(往復22本)と、新大村-長崎の回送利用3本を加えた計47本を運行。武雄温泉-長崎は最速23分となる。長崎から博多や新大阪までの所要時間が最大30分短縮される。一方、博多-佐世保の在来線特急みどりに振り子型車両を一部導入し、所要時間を最大9分短縮する。
 新幹線かもめの回送3本は新大村発が午前6時20分と同8時8分、長崎発が午後11時半。諫早にも停車し、通勤通学利用を見込む。
 ほか44本は現行の特急と同数。武雄温泉の同じホームで、博多方面とつなぐ在来線特急リレーかもめと乗り換える。
 44本のうち、一部駅を通過する「速達型」は、諫早のみ停車が7本、諫早と新大村の停車が12本の2パターンを設定。長崎から博多までの最短所要時間は1時間20分(武雄温泉での乗り換え時間含む)。新大阪までは3時間59分(博多、武雄温泉での乗り換え時間含む)で結ぶ。残り25本の各駅停車は博多-長崎の平均所要時間が1時間37分。

九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)

 リレーかもめは全44本(往復22本)中10本が「みどり(リレーかもめ)」として佐世保線に乗り入れる。特急みどり(一部は早岐で特急ハウステンボスと連結・切り離し)の本数は現行の32本を維持する。うち10本はカーブ走行性能が高い振り子型車両885系(現在の通称・白いかもめ)を投入し所要時間を短縮。ただ一部で現行より時間を要する便もある。
 博多-長崎を直通する特急は廃止。並行在来線の江北(現在の肥前山口)-諫早は一部を非電化し、普通列車は肥前浜で乗り換えが必要となる。通勤通学時間帯の利便性確保のため、江北-長崎の直通列車を2本運行する。
 県内を走る快速シーサイドライナーの停車駅に新大村、大村車両基地の2新駅を加える。新型コロナウイルス感染拡大の影響で利用が減った実態を踏まえ、長崎発諫早・竹松方面行き最終列車の時刻を30分程度繰り上げる。
 福岡市の本社で会見した福永嘉之・鉄道事業本部長は「新幹線の価値の最大限発揮とコロナ禍の影響を受けた(在来線運行の)スリム化。両方合わせて収支改善を図る」と述べた。


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