「高齢者が好き」 ミャンマーの技能実習生 介護現場で日々奮闘 上越あたご福祉会

 社会福祉法人上越あたご福祉会(稲葉晋理事長)はこのほど、ミャンマー人女性のラ・ウインさん(24)とメィ・ザー・モンさん(28)を技能実習生として受け入れた。5月23日から同法人が運営する大潟区土底浜の小規模特別養護老人ホーム「大潟愛宕の園」で、介護技術を身に付けるため日々奮闘している。

技能実習生のラ・ウインさん(右)とメィ・ザー・モンさん

 同法人は近年、人口減少に伴う将来的な介護現場の人材不足を見据え、外国人の雇用受け入れを検討している。その一環として外国人技能実習制度に注目。昨年春から二人の受け入れを予定していたが、コロナ禍やミャンマーの情勢不安により延期に。この間、ビデオレターの交換で互いの近況を伝えつつ入国のタイミングを見計らい、このほど受け入れが実現した。

 二人にとって介護職は初めての経験。共に実習を希望した理由について「高齢者が好き。(いつか来る)父や母の介護のため、日本で学びたいと思った」と話す。現在は同区で2人暮らし。勤務のシフトに慣れつつ、トイレや入浴の介護など具体的な研修を受けている。ラ・ウインさんは「皆さん親切でうれしい。日本語は難しいが、頑張りたい」、メィ・ザー・モンさんは「言葉も介護もしっかりと身に付けたい」と意気込んでいた。

入居者と憩いの時間も。丁寧に声を掛け、交流を楽しんでいる

 二人の一生懸命な姿勢は職員、入居者共に評判が良いという。今後は状況や希望に応じて研修を継続(最長5年)する予定。布施貴士施設長(42)は「人材確保も大切だが、日本の介護技術を海外に伝えることも私たちの使命の一つと考えている」と話していた。

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