サッカー男子決勝 長総大付が連覇 国見に1-0 ユニークなCKで決勝ゴール 第74回県高校総合体育大会 最終日

【サッカー男子決勝、国見-長崎総合科学大付】後半4分、長崎総合科学大付のFW福島(左から2人目)が先制ゴールを決め仲間と喜ぶ=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 ゴール前で5人並んで“仲良く電車ごっこ”。キッカーのDF平山が助走を始めると彼らは縦横無尽に散らばり、国見の選手が迷っているうちにFW福島の頭へぴたりとボールが届いた。
 サッカー男子決勝は、後半立ち上がりに長崎総合科学大付がユニークなCKを披露。これが見事ゴールにつながった。「完璧に決まった」。福島は準決勝に続く決勝点となった。
 昨冬の第100回全国高校サッカー選手権で、4強入りした高川学園(山口)がバラエティーに富んだセットプレーで話題を集めた。1点の重みが増すトーナメント戦でセットプレーは大きな武器。長総大付もこれらを参考に、時間をかけて練習を重ねてきたという。ライバルにばれないよう準決勝まで温存し、決勝でいよいよ解禁。得点シーン直前も変化を加えたショートコーナーを繰り出していた。
 今年1月に小嶺忠敏前監督が死去。「名将が率いるチーム」の色が強かっただけに弱体化を心配する声も少なからずあったが、今回の優勝で周囲の雑音を一掃してみせた。
 ただ、定方監督は「ようやくスタートラインに立ったところ」と口元を引き締める。昨年のインターハイは王者、青森山田相手にシュートを1本も打てずに初戦敗退。結果的に自身最後の全国舞台となった小嶺氏に勝利をプレゼントできなかった。「忘れ物を取りに行く」と主将のMF竹田。今夏の勝利を、亡き恩師への手向けとする。


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