FFG・五島久社長に聞く 新中期経営計画 バンキングアプリ本年度導入へ

新中期経営計画について語る五島社長=福岡市中央区、FFG本社

 ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)の五島久社長は長崎新聞のインタビューに応じ、新しい中期経営計画(2022年4月~25年3月)について「鍵になるのは既存事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)」として業務・営業改革を加速させる考えを示した。スマートフォンで口座残高確認や振り込みができる「バンキングアプリ」や法人向けポータルサイトを22年度中に導入。店頭での現金以外の取引が原則すべてデジタルで可能になるよう進める。

 -新中計でどこに注力し、どれだけ投資するか。
 業務や営業の改革、戦略系子会社の強化、新事業への挑戦を重点的な取り組みとし、3年間で320億円の戦略投資を計画している。内訳は既存事業のDXに200億円、インターネット専業の「みんなの銀行」などに120億円。
 (いずれもFFGの)みんなの銀行やiBankマーケティングでの開発ノウハウを(十八親和銀行など傘下)銀行本体のDXにも生かし、個人アプリや法人ポータルサイトは導入後も随時機能を拡充する。営業面では情報やデータを活用し、行員とデジタルの両面で質を高める。顧客との接点を増やし、コミュニケーションをより密にしたい。

 -新たな店舗モデルの試行を盛り込んだ。
 この10年で来店客数は4割減った。顧客の行動変容も踏まえ、店舗のあり方を見直す。窓口の手続きを個人アプリや法人ポータルサイトでほぼできるようにし、店舗は相談やコンサルティングなど、金融を中心にさまざまなニーズに応える場にしたい。

 -デジタル化などに向けた人材の確保や育成は。
 成長戦略を実施するには相応の人材が必要。即戦力として500人をキャリア採用する。社内でも専門性を高める育成カリキュラムを入れ、デジタルを含む専門人材を倍増させる方針だ。

 -30年度までに自社の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにすると掲げた。
 FFGの20年のCO2排出量は2万7千トン、うち(子会社の)十八親和銀は9千トン。ほとんどが電気使用に伴うもので、再生可能エネルギー由来の電源への切り替えなどを進める。(建て替え予定の)十八親和銀波佐見支店は、太陽光発電の設置や省エネ仕様の設計をし、環境配慮型の第1号店舗になる。


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