「面倒」より「安全」を 田辺でサイバーセキュリティー講座

サイバー攻撃への対策を解説する木村陽一さん(右)と古川佳和さん=10日、和歌山県田辺市湊で

 JR紀伊田辺駅前の田辺エンプラス(和歌山県田辺市湊)で10日、サイバーセキュリティー講座があった。講師陣は「サイバー攻撃から身を守るには、面倒がらずに安全対策を選択する意識改革が必要」と呼びかけた。

 講師は大阪商工会議所経営情報センターの古川佳和次長と木村電気商会(田辺市末広町)の木村陽一社長。今起こっている問題とその対策について、トーク形式で解説した。

 昨年10月にランサムウエア(身代金ウイルス)によるサイバー攻撃で、徳島県にある病院が2カ月間にわたり病院機能を停止した。こうした問題は身近に潜んでいる。

 メール対策で古川さんは「普段のやりとりで少しでも違和感があれば添付ファイルは開かない。開く場合も一呼吸おいてから。時間がたてばウイルス対策ソフトが対応する可能性が高い」と助言した。

 「盗まれて危険なのは名前や電話番号より、IDやパスワード、クレジットカード番号。偽ホームページ(HP)にだまされないよう普段利用しているアドレスを『お気に入り』に入れておいて、そこからアクセスする。カードはプリペイド式を利用する」などと対策を示した。

 木村さんは「ウェブ上の情報、メールのリンクは安易にクリックしない。代わりにインターネット検索を利用する。面倒くさいが、楽しようという思いに悪者はつけこむ」と指摘。データのバックアップや日頃からの情報収集の必要性を強調した。情報収集では「IPA(情報処理推進機構)」や「JPCERT/CC」のHPなどを勧めた。

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