初優勝を掴んだベスティ「最高の気分。フィーチャーレースでも勝ちたい」FIA F2第6戦バクー レース1 トップ3コメント

 現地時間6月11日、2022年FIA F2の第6戦バクーのスプリントレース(決勝レース1)がアゼルバイジャンのバクー市街地サーキットで開催。メルセデス育成のフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)が初優勝を飾った。レッドブル育成のユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)とリアム・ローソン(カーリン)が、それぞれ2位、3位を獲得している。

 今季からFIA F2へ昇格し、初優勝を遂げたベスティは「最高の気分だよ」と語った。

「今日の結果を得るために多くのハードワークをこなしたんだ。(FIA F2初表彰台となる3位を獲得した)バルセロナは素晴らしいステップになったと思う。シーズン開幕当初は厳しかったので、ようやく勝てて本当にうれしいよ。とはいえ(リバースグリッドスタートの)スプリントレースの優勝だから、キャリアでもっとも重要というわけではない。やはり、フィーチャーレースで勝ちたいからね。ここからプッシュしていくよ」

 リスタート直後のターン1でスライドしてしまったことについて「スタートは申し分なく、ターン1をトップで進入できた。けれどプッシュしすぎて、あそこまでスライドするとは思ってなかったんだ。ギアも間違っていたと思う。ウォールに接近しハードブレーキングする必要があった。その間ライバルはスロットを開けていたから、そのせいで順位を2つ失ってしまったよ。ストレートでは競争力があったから、レースはさほどストレスにならずに済んだね」とベスティ。

「ジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)を抜いた時はちょっと遅く感じたんだ。すぐに彼を抜きたかったし、ユアンを逃したくなかった。ただヒューズのトップスピードがすごく速くて抜くのにてこずったよ。6〜7周目にようやく抜けた。セーフティカー(SC)もユアンに接近する手助けになったし、彼はターン1でロックアップして、そのチャンスを物にできた」

2022 第6戦バクー レース1でFIA F2初優勝を掴んだフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)
FIA F2初優勝を飾ったメルセデス育成のフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)

 またも今季初優勝を逃してしまったダルバラは「がっかりしていないと言ったら嘘になるけど、自分のレースには満足している。しかし、リスタートで犯した小さなミスは、まぎれもなく僕のミス。スタートとストップの繰り返しで反撃する周回数を確保できず残念だった」とコメント。

「スタートはまずまず。トップの4〜5台は同じようなスタートを切っていたけど、昨年の経験をうまく使えたと思う。ダウンフォースの少ないトリッキーなコースで、ターン1はうまく切り抜けることができた。フレデリックが大きくはらんだのでスリーワイドでターン2に進入することになった。低速の直角コーナーではイン側のマシンがつねに優位なので僕はブレーキングを遅らせてその間に仕留めた。ジェイクがローダウンフォースのセッティングで走っていることは知っていたので、できるだけ彼を引き離す必要があり、17周目まではすベて計画どおりに進んでいたんだけどね」

 SCからのリスタートについてダルバラは、ベスティが死角に入っていたことを明かした。

「ストレートが本当に長いので誰も早めにプッシュしようとはしなかった。待ちの状態が続いたんだ。左のミラーを見ていて、イン側にベスティがいると思ったのだけど、実際は死角に入っていたんだ。そしてタイヤをロックさせてしまい、ワイドに走ることになった。壁にぶつからないよう出口でブレーキングしたら、彼に抜かれてしまったよ。ターン2でマーカス(アームストロング/ハイテックGP)に後ろからぶつけられたので、そうでなければターン3までにベスティとの差が縮まっていたのにと、残念に思うよ」

2022 FIA F2第6戦バクー レース1で2位となったユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)

 9番グリッドスタートから3位表彰台を獲得したローソンは「本当にいいレースだった」と振り返る。

「これまでスタートがかなり悪かったので、普段よりもナーバスになっていたと思う。スタート自体はあまりよくなかったが、1周目はうまく行った。そして数周後にジェイクを抜いたあとは7番手にいたんだ。その後SCが始まってリスタートを繰り返した。リスタートでフェリペ(ドルゴヴィッチ/MPモータースポーツ)を抜くことができたけど、次のコーナーで抜き返されてしまった。そして最後のリスタートでは前進するごとに前が開けて、1周で7番手から3番手にポジションアップできたんだ。今までのレースでもっとも慌しかったけれど、明らかに結果につながった。マシンはレース中ずっと速くて、フロントロウからスタートする明日に向けて改善点もわかっている」

 リチャード・フェルシュフォー(トライデント)の攻略について問われたローソンは次のように語った。

「ターン4で彼はユアンの隣にいて、その時に僕はマーカスを抜いて、リチャードにマシンを並べることができた。ターン5ではサイド・バイ・サイド、ターン6では牽制されて、ターン7でふたたびサイド・バイ・サイドになった。ターン7は180度に近いタイトなコーナーで、彼は進入で僕をブロックしアウト側へラインを変えようとした。僕はロックアウトしてターンしようとしたら、彼はオーバースピードで壁に突っ込んでしまった。いいバトルをしていたから、あんな結果になったのは残念だよ」

2022 FIA F2第6戦バクー レース1で3位となったリアム・ローソン(カーリン)

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