エジプトの神のお面着け入館次々 高梁・成羽美術館でイベント

エジプトの神様のお面を着けて展示品に見入る家族連れ

 洋画家児島虎次郎(1881~1929年)=高梁市成羽町出身=が集めた古代エジプトの美術品を展示する特別展が開かれている高梁市成羽美術館(同市成羽町下原)で12日、記念イベントが行われた。現地で信仰された神々のお面をかぶれば入館料が無料に。多くの家族連れらが訪れ、有数のコレクションを堪能した。

 この日が、児島が初めてエジプトを訪れて、ちょうど100年となることから企画した。死者の守護神・アヌビス、ハヤブサを神格化したホルス…。家族連れらは同美術館ホームページからダウンロードしたイラストを画用紙に貼るなどしてお面を自作。午前9時半の開館前から列ができた。

 館内では、死後の世界で労働を肩代わりしてくれると信じられた副葬品の人形「シャブティ」、鮮やかな青色が特徴の焼き物「ファイアンス」など、紀元前のエジプト文明を伝える約200点を展観。神々のお面を着けた入館者が興味深そうに鑑賞した。

 家族4人で来場した主婦(31)=倉敷市=は「気分が盛り上がる。美術館巡りや絵を描くのが好きな娘2人の刺激になれば」と話していた。

 特別展は26日まで。20日は休館する。

この日は、エジプトの神様のお面をかぶった人を入館無料とした
死後の労働を肩代わりすると信じられた「シャブティ」

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