山中で頭から血を流した高齢者を発見…救助の男性を表彰 携帯がつながりにくい中で救急車誘導 名護市消防本部 

 【名護】勇気ある行動で人命を救ったとして、名護市消防本部(安里順消防長)は6日、警備員の上間太精(たいせい)さん(66)=名護市=を同本部で表彰した。山中でつまずき頭部から血を流していた高齢男性を発見、応急手当てし、救急隊を誘導した。上間さんは「前に受けた講習のおかげで冷静な対応ができたのかもしれない」と述べた。

 4月19日、上間さんが名護市三原嘉陽又橋付近で工事に伴う交通誘導員をしている最中だった。草刈りをしていた男性が木に手を掛けようとしてバランスをくずし、U字溝に頭部をぶつけるところを目撃。上間さんによると、血が噴き出したところをハンカチで止血し通報した。

 人里離れて携帯電話の通信状態が悪い中、サイレンの音が聞こえるところまで走り、救急車両を誘導した。感謝状を手渡した安里消防長は「的確な判断であり、地域社会の安全安心に大きく寄与した」と述べた。上間さんは「普通に当たり前のことをしただけだ」と謙虚に語った。

(増田健太)
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